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最終更新日:2024年04月19日
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第34話 「のん兵衛」

酒を飲むと記憶を無くす友達がいる。彼は飲むピッチが早く、一時間も飲むと、殆ど泥酔状態になる。
この日もそう。待ち合わせの店に行くと、もう彼は既にほろ酔い状態だった。座席の横に一冊の本が置いてあったので、気になって聞いてみると、
「これ読みたい本だったんだけど、絶版になってて今じゃ手に入らない物なんだ。ちょうど会社の同僚が持っていたんで、借りたんだよ。古本屋じゃ結構な値が付いてるらしいよ」
会社帰りに真っ直ぐこの店に来た彼が言った。
「そんな大事な物持って来て大丈夫か?」
「俺は物を拾っても落とした事がないんだ。大丈夫」
二軒目で僕は帰ったのだが、調子付いた彼は三軒目の店へと消えて行った。
次の日に彼から電話が来た。本を何処かに忘れて来たとの事で、かなり慌てている様子だった。三件目の店すら覚えてないらしく、心当たりのある店に連絡したが、何処にも無いらしい。
二軒目の店を出る迄は手に持っているのを僕は確認していた。そこで僕が提案をした。前日行った一軒目から飲みに行って、二軒目で記憶を無くしてから、後は運を天に任せろと。
その日の夜中に携帯がなった。殆どろれつが回っていなかったが、四軒目の店にあったそうで、大喜びだった。多分明日も電話が来るだろう。どこの店か分からないが、とにかくあったと。

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