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最終更新日:2024年04月25日
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第350話「歳のせい?」

 退社間際に社内の窓から外を見て羽賀が言った。
「今年は秋の来るのが何だか早いよな」
「そうっすね。去年は九月に入っても暑かったすからね。まあ、今年が普通で去年が異常だったって事っすかね」と答える山本。
「そうだな。去年は異常に暑かったもんな。でもさ、何か仕事をしていても年々疲れが取れにくくなって来てる気がするんだよ。月曜から段々と疲れが溜まって、週末はもう疲れの極みって感じなんだ。気のせいなのかな?」
「それは、気のせいじゃなくて歳のせいじゃないっすか?年々歳をとってる訳だし、当然なんじゃないっすかね」と少しつっけんどんに答える山本。
「お前も可愛気がないと言うか思いやりがないね。そんなにはっきり言う事ないだろ。もう少しやんわりって言うかさ、何かもう少し他に言い方があるだろうよ」
「でも、現実をちゃんと見つめた方が良いっすよ」と言って笑う山本。
「そうだな。これが老化ってやつなんだろうな。悔しいけど認めざるをえないな」と元気のない羽賀。
「でも、芳賀さんはまだまだ歳のわりには若い方だと思いますよ」女子社員が言った。
「見た目がか?」と羽賀。
「見た目もそうだし、体力だってまだまだあるんじゃないですか」と女子社員。
「そっか?見た目は若く見えるか?見えちゃう?若く。若く見えちゃう?」と調子に乗る羽賀。
「バカは歳とらんって言うからな」と側で聞いていた加藤が言った。
「そりゃちょっと酷いんじゃないですか?」
「お前、何で疲れが溜まるか分らんのか?」と少し呆れ顔で言う加藤。
「老化ですよ老化。加藤さんだってそうでしょ?仕方ないですよ。これ以上酷い事言われない内に帰ります。お先に失礼しま~す」と言って羽賀は退社した。
「家からのあの距離を毎日だもん、そりゃ疲れるって」
会社の窓から自転車で家路につく羽賀の姿を見ながら加藤は言った。

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