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最終更新日:2024年03月28日
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第402話「バドミントン2」

山本と女子社員を見て羽賀が言った。
「俺は、毎日チャリで通勤してるし、筋肉痛なんて無縁だな。それにしてもよっぽど身体が鈍ってたんだな」
羽賀が笑いながら山本の太股を触る。
「痛たたた。やめて下さいよ」大笑いする羽賀と加藤。
この日は山本の悲鳴が何度も社内に響いた。
次の朝、羽賀は地雷原でも歩くかの様に、ゆっくりとした足取りで自分の席まで来ると、熱い風呂にでも浸かる様に、ゆっくりと椅子に腰を下し、溜息混じりの息を大きく吐き出した。
「まさか、羽賀さん・・・」
一日でほぼ回復した山本が嬉しそうな笑顔で言った。
「今日は自転車通勤じゃないんですか?」と女子社員。
「もう寒くなってきたしな」
「あっ、羽賀さん、太股にゴミが」と言って山本が羽賀の太股に触れると、すかさず羽賀が言った。
「ご免、昨日は俺が悪かった。お願いだからそっとしておいてくれ」
「歳を取ると一日遅れて来るって、本当だったんですね」女子社員が笑った。
「何処か痛むのか?」と言って今度は加藤が羽賀の肩を掴む。羽賀が奇声を上げると加藤は笑いながら。
「チャリで通勤してるから筋肉痛とは無縁だって言ってたのは誰だっけ?それにしてもお前らは軟弱だよな。あれしきの事で筋肉通って」
加藤は三人を散々バカにすると営業に出かけた。
「あれだけ動いたのに、筋肉痛にならないなんて」と驚いた様子の女子社員。
「痩せ我慢してる様には見えないしな」と羽賀。
更に次の朝、会社の窓から加藤の車が見えるが、何時まで経っても車から降りて来ない。
暫く皆が注目していると、静かに運転席側のドアが開き、老人の様に背を丸めた加藤が、裸足で針の筵でも踏みしめる様に苦痛に歪んだ顔で地面に足を下ろした。
この状況を見て3人は大喜びした。
「何だかすっかり老けちゃって、皆で肩でも揉んでやろうや」
羽賀の言葉に山本と女子社員は、不気味な笑みを浮かべて加藤が来るのをじっと待った。

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