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最終更新日:2024年04月19日
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第407話「クリスマス」

仕事が終わり、退社する間際、加藤が山本に言った。
「クリスマスって何であるんだ?」
「何でって言われても昔からの風習っていうか、子供達の夢を叶えるって言うか」
「家は仏教だ、何でキリストの誕生を祝うんだよ」
「あんまり宗教的な意味はないんじゃないっすかね。ケーキ食ってプレゼント貰えれば、子供達はそれで満足なんじゃないっすかね」
「じゃ、お年玉はなぜあるんだ?クリスマスでプレゼントもらって、一週間しか経ってないのに、また小遣いが貰えるって変だろう」
「まあ、それはそれ、これはこれって感じで別物じゃないっすかね」
「お前は姉ちゃんの子供にプレゼントやるのか?」
「はい、毎年渡してますよ」
「お年玉もか?」
「まだ小学三年生なんで三千円も渡せば、喜んでますよ。あっ、加藤さんって・・・」
「そうなのよ、家は子供が五人いて、出戻りの妹の子供も四 人いるから、全部で九人分のクリスマスプレゼントとお年玉が必要なんだ」
「そりゃ大変っすよね」
「俺なんかさ、真面目に一生懸命働いてな~んも買って貰えないのにさ、最近親の言う事もろくすっぽ訊かないガキどもに、何でそこまでしなきゃならんのかと思うと、けっこう虚しいものがある訳よ。俺としては」
「何となく分かりますよ」
加藤はポケットからメモをを取りだすと山本に見せた。
「下の方は、値段が可愛らしいが、段々年齢が上がるごとに、値段が可愛気なくなるだろ」山本はメモを見ながら気の毒そうに頷く。
「今から少しずつ揃えないと、クリスマス迄に売り切れちゃうんだよ」そう言うと、加藤はおもちゃ屋に寄って帰ると言って帰宅した。
次の日、暖かそうなマフラーをして加藤が出社した。
女子社員が素敵なマフラーだと言って褒めると、加藤は嬉しそうに言った。
「ちょっと早いけど、子供達からのクリスマスプレゼントだってさ」加藤が席を外したのを見て、山本が女子社員に言った。
「子供達の方が一枚上手みたいだね」

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