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最終更新日:2024年04月19日
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第418話「マーちゃん28」

友達の息子であるマーちゃんは、礼儀正しい小学五年生。目上の人間には必ず敬語を使う。
この日も僕が友達の家に行くと、マーちゃんが迎えてくれた。
「お久しぶりですね。お元気でしたか?」
「何とかね。マーちゃんも元気そうだな」
「はい、僕も元気ですよ」明るく子供らしい答えが返って来た。手には雑巾を持っている。
「もう終わりますから、ゆっくりしていって下さい。あっ、そうだ、今お茶を入れますね」僕は笑いながら気を使わなくても良いと言った。
やがて掃除を終えたマーちゃんが、お茶を運んで来た。
「毎日掃除してんの?」
「はい、学校から帰ったら宿題を終わらせて、洗濯とお風呂の掃除と部屋の掃除をしています。雑巾がけは週に二回ぐらいですけどね」
母親がいなく、父親と二人暮らしのマーちゃんは、普段の家事全般をこなしている。
「遊ぶ暇はあるの?」
「ありますよ。土曜日とか日曜日がありますから、それに学校へ行くのも半分遊びみたいなものですからね」
「これから晩飯の支度もあるんだろ?」僕が言うと、マーちゃんは嬉しそうな顔で言った。
「今日は、お父さんがお寿司を買って来てくれるんですよ。週に一回夕飯を作らない日があって、今日がその日なんです」それから直ぐに玄関のドアが開く音がして、父親である僕の友達が帰宅した。何も持っていない父親の姿を見てマーちゃんが寿司はどうしたのか訊いた。
「あっ、忘れた」マーちゃんの顔が急に険しくなった。
「忘れたってどういう事ですか?僕が毎週どんなに楽しみにしているか、お父さんは知らないんですか!そもそもこれはお父さんから言い出した事なんですよ」マーちゃんは、早口でまくし立てる様に言った。
「ご免、仕事のことで頭がいっぱいだったもんでな」
「仕事にかこつけるのは大人としてみっともないです。仕事が忙しいのは当たり前じゃないですか」こうなってしまったらマーちゃんは手がつけられない。つづく

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