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最終更新日:2024年04月25日
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第434話「マーちゃん30」

友達の息子のマーちゃんは小学五年生。礼儀正しく大人には必ず敬語を使う。
「支度できた?」居間のトランクを見て僕が言った。
「はい、一週間前から必要な物を気がつく度に入れていましたから。餞別を頂いた上に、トランクまで貸して頂きまして、ありがとうございます」
「いえいえ、どういたしまして」と僕が笑って言う。
「僕、飛行機初めてなんですよ。とても楽しみです」と言ってマーちゃんは嬉しそうに笑顔で言った。
マーちゃんの父親である友達が、久し振りに連休が取れたので、学校の休みと合わせ、ディズニーランドへ行く事となった。
これから僕は二人を車で空港まで送ることになっている。
トイレの方を見て遅いという僕にマーちゃんが言った。
「出掛ける時は忘れずにといって、いつもウンチをするんですよ。もう出て来ますよ」マーちゃんがそう言うと、トイレの水が流れる音がして友達が出て来た。
「ほら、俺の携帯持ってろ。迷子とかになったら、俺の方から連絡するから、じっとして動かないようにな」
「連絡するって、公衆電話ってそんなにあるのか?」
「あるだろう。都会だし」
「いいか?変な大人に声を掛けられてもついて行っちゃだめだぞ」
「お前、誰にもの言ってんだよ。マーちゃんだぞ。親なんかより、ずっと大人だって」
「いやいや、まだまだ子供だよ」それを聞いてマーちゃんは笑っていた。
マーちゃんが先に部屋を出るのを見て友達が小声で言った。
「子供のお守も大変だよ。俺としちゃあ、ゆっくり家で休んでたいんだけどな」
次の日、友達から電話が掛って来た。出るとマーちゃんからだった。電話の向こうからは、メルヘンチックな音楽が聞えて来る。ディズニーランドからだ。
「どう?楽しい?」
「はい、人で凄いですけど楽しいです。でも今は少し暇なので電話しました」
「暇?何で?」
「お父さんがパレードについてどっか行っちゃったんですよ。お父さんのお守も大変です」

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