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最終更新日:2024年04月18日
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第445話「人生いろいろ」

今日は送別会。友達と待ち合わせしている居酒屋に行くと、すでにBが居た。
今日の主役であるAはBの会社の同僚であり、Bの親友とも呼べる間柄だった。
「送別会といっても、今日はAと俺とお前の三人だけだ。Aがお前の事を気に入ってたから、最後に飲もうって事になったんだ」
Bが言ったちょうどその時、Aがやって来た。僕の向かいに座ろうとしたAに、僕は下から見上げながら言った。
「相変わらずでかいね」すると、Aは人懐っこい顔で茶目気たっぷりに言った。
「北海道は食べ物が美味しいから、年々身体が大きくなっていくんだよ」
Aには兄が居て、先祖代々続いていた家業を継いでいたが、去年、事故で亡くなってから、次男であるAが急遽後を継ぐ事になったらしい。
静岡出身だと以前に聞いた事があった。
「家業ってお茶園とか?」安易だとは思ったが、静岡と聞いてそれしか思い浮かばなかった。
「ビールが来たぞ」とBが言って三人で乾杯をした。
「で、何屋さんなの?家は」
「まあ、いろいろかな。運送業や金融業、不動産業やサービス業なんかも」
「へ~凄いな。商社だね。古くから続いてるの?」
「そうだね。次郎長親分の頃からって言ってたかな」
「えっ?清水の次郎長?」時代背景を語るには、もっと適したものがあるのではないか?僕がそう思った時、
「ビールでも頼もうか」まるで僕らの会話を遮る様にBは言った。
話題も実家を離れ、十五年住んだ北海道での思い出話が多かった。
何杯目かのビールを飲んでいると、Aの目が急に鋭くなって呟く様に言った。
「兄貴、俺がだいもんをしっかりと守ってやるからな」
「大門って、そっかそんな立派な門がある会社なんだ」
「そ、そう。老舗だかんな」とB。
それから直ぐにAはトイレに立った。
「ちょっと、だいもんって大門じゃなくて代紋?そちらの世界の方か?」と僕が声を潜めてBに詰め寄る。
「あっ、鋭いなお前、兄貴の事故死ってのもさ・・・」
「言うな!みなまで言うな」

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