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最終更新日:2024年04月19日
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第446話「結果オーライ」

山本がホテルの入り口に車を停めると、助手席のドアを開けて降りようとする羽賀に言った。
「終わったら電話下さい」
「悪いな、頼むわ」そう言い残すと羽賀は、ホテルの中へと入って行った。
この日は得意先の三十周年記念のパーティーがあり、担当である羽賀が出席した。
羽賀も一応は営業マンなので、こういった席では知り合いも多い。何人かと挨拶を交わしたり、名刺交換をしている内に、パーティーは開幕となった。
その時、会社では山本がまだ仕事をしていた。退社時間も過ぎ、一人二人と社内から人が居なくなっていき、やがて山本一人になったところで電話が鳴った。
相手は加藤だった。帰社途中で事故にあったらしい。いつの間にか降りだした雨の中を、山本は現場へと急行した。
事故は相手側が一時停止を無視して突っ込んで来たらしく、両方の車は大破し、加藤も頭から血を流していた。警察が来て現場検証をしている。そんな中、救急車が到着した。
山本も一緒に乗って行こうとしたが、会社の車があったので、行き先の病院名を聞き、直ぐに駆けつける事にした。
上着のポケットから車の鍵を取りだした時に、携帯を会社に置いて来た事に気がついたが、そのまま病院を目指す事にした。
「電話出ないのかい?送って行こうか?」ホテルの会場にいた知人が言った。
「いえ、行き違いになったら困るので、もう少し待ってみます」と言って携帯を握りしめた羽賀は外へと出た。いつ雨が降ったのか、濡れた路面に街灯の光がキラキラと反射していた。
何気にホテルの横に出てみる。会社の車が止まっていた。
「何だ、来てるじゃん」
病院で一晩様子を見る事になった加藤を残し、車へと向かう山本は、助手席に乗ってる羽賀を見て驚いたのと同時に、何時間か前に隣のホテルに羽賀を送った事を思い出した。
ドア開けると羽賀が言った。
「ここ病院の横じゃん。何でこんな分かりにくい所に停めてるんだよ。それにしても何処行ってた?」

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