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最終更新日:2024年03月28日
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第452話「マーちゃん33」

悲しそうな顔をしたマーちゃんの話しは続く。
「毎回、除雪をすると、お菓子を沢山くれるんですよ。最初は五千円もくれたので、僕が慌てて返すと、今度はお菓子をくれる様になって、僕はただ、お婆ちゃんの助けになるのならと思ってやっただけなのに、そんなつもりはないのに。
でも、何処かで僕自身もお菓子を貰えるっていう期待みたいなものもあって、自分ながらそれが嫌でたまらないんです」今にも泣き出しそうだ。
「きっとお婆ちゃんは嬉しかったんだよ。だからマーちゃんに何かお礼をしたかったんじゃないかな」
「それって、ありがとうの一言だけじゃダメなんですか?僕はそれだけで良いんです。その事で友達に相談したら、お金を貰っとけば良かったのにって、みんな言うんですよ。僕、何だかガッカリしちゃって」友達と聞いて、咄嗟にさっき除雪していた子供達が頭に浮かんだ。
「今日も除雪に行かなきゃって思うんですけど、何だか気が重いです」
さっき見た二人組はもしかしたらマーちゃんの友達なんじゃないだろうか?だとしたら、マーちゃんが除雪をする事を知っていて、先回りをして小使いをせしめたのかもしれない。そんな気がした。
「ああ、裏の家だったら、誰か若い人が除雪をしてたぞ。そのお婆ちゃんって、細身で白髪頭の上品そうな人だろ?」
「あっ、そうです。でも誰だろう?息子さんは東京に居るって言ってたし、毎年冬になると、除雪に困るって言ってたのに・・・」
「ああ、あれだよ。業者じゃないか?業者」
「そうですか、お金が沢山掛っちゃいますね」
そんな話をしている時に友達が帰宅した。
「今日は、裏の家の除雪をしようと思って早く帰って来たんだけど、もう除雪済んでたな。お前一人でやったのか?」マーちゃんは僕が言った事をそのまま父親に言った。
「そうか、金が掛ったろうにな。このくらいの雪ならすぐに終わるのに、もったい無いな」と寂しそうに友達は呟いた。   つづく

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