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最終更新日:2024年04月19日
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第470話「差し入れ」

友達のA、Bと三人で居酒屋で飲んだ。Cも来るはずなのだが、幹事であるAは連絡が取れないと言った。
「あいつ、今無職だろ、金がないのかな?携帯止められてるんだ。何せ一人暮らしだから、心配なんだよな。それに、先月会った時なんて、焼肉を腹いっぱい食べたいなんて言ってたし、まあ冗談だろうけどな」とA。
あっ、と何かを思い出した様にBが「俺も先月会った時、随分と痩せてたから、どうしたのか訊いたら、ダイエット中だなんて言ってたな。それにしちゃあ顔色が悪かったんで、無理しない様に言ったんだけどな」
「あいつは昔からそうだったろ、人には絶対弱い所を見せないんだよ」と僕。
「そうだったな。疲労骨折してたのに部活を休まないで出てたもんな」とA。
「焼肉ぐらいお前が奢ってやりゃいいだろう!」と突然Bが大声で怒鳴りだした。
「お前こそ、ダイエットだなんて言葉に騙されやがって」とAも激しく応戦する。
「二人共そんなに興奮するなって、Cが餓死でもしたみたいじゃないか」と僕が言うと「餓死?あり得る」とAとBが同時に言うと、僕等は居ても立っても居られず、急遽Cのところへと行く事にした。この時、僕等はかなり酔っていた。
途中に寄ったスーパーで買った食料品等はカート五台分にもなった。
マンションの一階に住むCの部屋の呼び鈴を何度鳴らしても出て来ない。
その時、Bが何処から見つけたのか、コンクリートのブロックをベランダ目掛けて投げつけた。酒の力は恐ろしい。
想像以上の大きな音がした。
僕等はCの名前を呼びながら真っ暗な部屋の中を探しまわるが、Cの姿は見当たらない。ベランダの外には音を聞きつけた住人が何事かと集まっている。
「なっ、何してんだよ」住人の一人が言った。
「うっせえ!人の命が掛ってるんだ!」とB。
「人って誰の?」そこにはコンビニの袋を持ったCが立っていた。それを見た僕等三人は思わず泣きながらCに抱き付く。かなり酔っていた。そしてBは言った。
「差し入れ持って来た」

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