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最終更新日:2024年04月19日
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第473話「笑いは世界を救う」

昼休みに山本が朝刊を見ながら言った。
「クレヨンしんちゃんのコミック本って経費で落ちるんすね」
「そうみたいだな。都知事ともなると、何でもありって事なんだろうな」と羽賀が山本の朝刊を覗き込む。
「だけど、凄いっすよ。この疑惑の支出一覧を見ると、給料は何に使ってたんだと思うくらいですもん」
「東大出てるし、頭良いと思ってたけど、バカだったんだな。こんな事やってれば、バレるに決まってるのに。子供だって分かるぞ」
「でも、ただのバカじゃないっすね。記者の質問にも一切ボロを出さないっすから。きちんと精査しての繰り返しで、それ以外の事は何も言いませんからね」
「下手な事言って墓穴掘らない様にしてるんだろう。もう、ここ迄来たら大声出して泣くしかないな」
「何処かの県議っすよね」
「泣いても許しちゃくれないだろうけど、笑いは取れるぞ。ネットに流れて世界中が笑いに包まれる。笑いは世界を救うんだ」と言って羽賀はズボンのポケットに手を突っ込むと、皺の寄った紙片を取り出した。あっ、と言う小さな声と同時にそれを見て何かを思い出した様に山本に訊く。
「なあ、これって交際費で落とせるかな?この前クラス会行った時、得意先に勤めてる奴がいてさ、その後二人でスナックっへ行ったんだ」手にしてるのは少しくたびれた領収書だった。
「都知事じゃないっすか」
「違うって、仕事だってちゃんと取れたんだから」
「話のついでに出た程度っすよね。もう一度きちんと精査した方が良いんじゃないっすか?」と笑う山本。
「第三者の厳しい目で調査して頂く、ってのもありますよ」山本は外出中の加藤の席を見る。すると羽賀は少し慌てながら「た、確かについでにした会話だな。これは私用だな。うん私用、私用」と急に納得する羽賀。
「大声で泣くってのもありかも知れませんよ。その動画を僕がネットに配信しますよ。羽賀さんが泣いて世界が救われるなら安いもんじゃないっすか」

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