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最終更新日:2024年03月29日
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第475話「マーちゃん37」

友達の家に遊びに行った。
玄関のドアを開けると、友達の息子である小学五年生のマーちゃんが大声で叫んでいた。
父子家庭であるこの家に、僕はこうして時々遊びに来る。
普段は仲の良い親子なのだが、よく喧嘩もする。この日もまたそうだった。
「僕はお父さんの身体を心配して言ってるんですよ」
「お前に心配してもらわなくても、自分の身体は自分が一番良く知ってるんだよ。古女房みたいなこと言ってるんじゃないよ」
「また喧嘩してんのか、よく飽きないもんだな」と僕が部屋の中へと入ると、マーちゃんは、こんにちは、と僕に挨拶をしてから事の成り行きを説
明した。
父親である僕の友達が会社の健康診断で、メタボだと診断された事について言い争っていたとの事だった。
「見て下さいよ。あのだらしないお腹。少し食事を制限して、毎日家の周りを少し散歩でもした方が良いって言ったら、逆ギレしたんですよ」
とマーちゃんは目にたくさん涙をためていた。
「もっと素直になった方がいいんじゃないか?お前に何かあったらマーちゃんは一人ぼっちになっちゃうんだぞ。マーちゃんの為にも健康でいる事が
何よりだと思わないのか?」
「そんな事言われなくても分かってるよ」
「お前さ、きっとマーちゃんに甘えてるんだよ。変に反発してさ。どっちが子供なんだか。今回はどう見てもお前が悪い。ちゃんとマーちゃんに謝れ
よ」僕の言葉に力無く頷く友達。
「あっ、そうだ。マーちゃん。シュークリーム買って来たから一緒に食べよう」
そう言った瞬間にマーちゃんは笑顔を取り戻した。
「あっ、俺も一つ」と手を出す友達の手を僕が叩く。
「今日からダイエットだろ」
「明日からじゃダメか?」
僕がダメだと言うと、マーちゃんは大きなため息をついて座っている父親の顔を見下ろす様に言った。
「絶対明日から僕の言った事を守ってくれますか?」
「はい、守ります」
「じゃ、一つだけ食べてもよろしい」
「お前何様?」
「息子様です」

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