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最終更新日:2024年04月19日
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第477話「律子さん59」

夕食の最中に、私は主人に会社での出来事を話した。
「今度の金曜日に会社の人から合コンに誘われちゃった。人数合わせでどうしてもってしつこいのよ」
「で、どうするの?」
「どうするって、断るに決まってるじゃない。私には立派な旦那様がいるしね」
「行って来たら?人数足りなくて困ってるんだろ?協力してやりなよ」
「嫌だよ。この歳で合コンなんて」私だって、ビシッと決めればまだまだいける。私になびいてしまう男がいないとも限らない。
「若い子がメインなんでしょ?」
「そりゃそうだよ」
「じゃ良いんじゃない」
「何よ、私みたいなおばさんは、見向きもされないって事?」少しカチンと来た。
「いや、そうじゃなくてさ、たまには違う年代の人達とお酒を飲むのも良い刺激になるんじゃないかと思ってさ。ほら、同じ年代の同じ様な考えの人
達とばかり付き合ってるとさ、物事の考え方が偏っちゃうんだよ。だからそういう機会を積極的に利用した方が良いよ。考え方が若いと、見た目にも
若く見えるもんだよ」主人の最後の言葉が私の心をがっちりと捉えた。見た目にも若く見える。
明日はOKしよう。
食事が終わって後片付けをしていると冷蔵庫を開けながら主人が言った。
「あれ?ビールがないよ」
「あっ、ご免ね。買い置きするの忘れてた。ちょっとコンビニ行って何本か買って来るね」私は家を出た。
近くのコンビニまで歩いてる間に財布を忘れた事に気付き、慌てて家に戻ると、主人の声がした。
「その日は女房も飲み会なんだ。女子は何人?あっ、そう。そりゃ楽しみだな。いやいや、そんな悪い事しないよ。たまには若い子とも楽しまなくゃ
さ、どんどん老けちゃうし、だからそんな意味じゃないって、ああ、今居ないよ。ビール買いに行かせた。電話するなら今の内だと思ってさ、そうだ
よ、どうせ俺は姑息な男だよ」と大笑いする姑息な男が何気に私の方を見た瞬間、思いっきり投げつけた財布が顔面に炸裂した。

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