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最終更新日:2024年03月28日
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第486話「今日の夕食」

今日は妻が会社の飲み会。たまには自分で夕食を作るのも悪くない。今日は何を食べようか?どうせなら何か豪勢な物を食べよう。
会社の帰りにデパート地下の食品売り場へと直行する。
こういう所で食材を買う事自体が何だかとても贅沢な気がする。豪勢な夕食にはもって来いだ。
買い物に行くなら買っておいてと頼まれたタマゴと牛乳をカゴの中に入れ、僕は豪勢な夕食を作る為の食材を物色する。ウニを一皿全部使ったウニ丼なんてどうだろう?あっそれって料理した事に入ならないか、やっぱり火を使って料理っぽい事をしてみたい。売り場をうろつくと近江牛が、でも・・・高い。いや、今日は豪勢に行くと決めたからには、これくらいの出費は覚悟しなくては。よし、今夜はドーンとステーキだ。思い切って近江ちゃんをカゴの中に放り込む。ちょっと雑に扱うのが何となくカッコイイ。それとその横にある無料の牛脂も。
せっかくの近江ちゃんに合う物は何かないか、やっぱりワインだろう。値段もそれなりに張るが、相手は何せ近江ちゃんなんだから、これぐらいの出費は当然だ。
よし、もうこの辺で良いだろう。レジの方に向かうと、カレーのルウが陳列してある棚が目に入る。その時、何だか無性にカレーが食べたくなった。それも市内に何軒もあるカレー専門店のカレーが食べたい。そう思うと、僕の頭の中の豪勢な夕食も吹き飛び、カゴの中の近江ちゃんがオージー君に見えてくる。
僕はカゴの中にタマゴと牛乳だけを残し、レジへと向かった。
若い女性店員がカゴの中の物をレジ袋へと移す。タマゴ、牛乳と移し終わったところで店員の手がピタリと止まる。そこには牛脂が。違う!俺はそんなせこい男じゃない。返し忘れただけだ。と心の中で叫ぶが声にならない。店員は僕の顔を一瞬だけ見ると何事も無かった様に牛脂を袋に移した。
久しぶりのカレーは美味かった。真っ暗な家の電気をつけて冷蔵庫にタマゴと牛乳を入れる。袋をたたもうとすると、白い牛脂が足元にポロンと転がった。

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