高校の入学式での校長の挨拶の中に、高校の友は一生の友だと言うのがあった。
さすが校長。良い事を言う。
高校を卒業して何十年か経つが、確かにその通りで、今でも高校時代の仲間とは付き合いがあり、僕の人生においても掛け替えの無い存在となっている。
ある日、高校時代の友達五人と食事をした。
「去年、クラス会があったんだけど、皆変わっちゃってさ、白髪の混じった奴もいれば、すっかり禿げちゃ った奴もいて、懐かしくも感じたけど、何だかちょっと寂しかったな。何時までも若いと思っていたけど、同級生のああ言う姿を見ると、自分も一緒なんだな～って思っちゃってさ」
しんみりとした口調で友達の一人が言った。
「そう言えばクラス会、もう十年以上やってないよな」
同じクラスだった友達に僕が言った。
「そうだな。それくらいになるな。女子なんて顔見たって誰だか分からなくなってるんじゃないか？おばさんになってるんだろうな」
「幹事は山田だったな。電話してみるか」僕が言った
「おお、頼むよ。あいつ結構だらしないとこあるから、ビッシと言ってやってくれ」
暫くして僕は山田に電話をした。幹事の話をすると、彼は前回の幹事だと言った。
「んじや今度の幹事はだれだっけ？」僕が言うと。
「いやいや、何言ってるんだよ。お前だよ幹事は」