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最終更新日:2024年04月19日
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第493話「今日の主役」

今日はAのお祝い。予約を取ってある居酒屋へと僕は急いだ。
暖簾をくぐってドアを開けると、直ぐに友達三人の姿が目に入った。
僕が主役がまだ来てない事に気付くと。
「少し遅れる様だから先にやっててくれってさ」とC。
だが十分が過ぎ、二十分が過ぎてもAは来ない。
「残業でもしてるんかな?」全員分のビールを注文しながらBが言った。
「あいつも今度は長続きすると良いけどな」とD。
「今度こそ懲りた様だぞ。家でも肩身の狭い思いをしてるみたいだからさ」と僕。
「そうだよな、離婚の一歩手前まで行ったんだもんな。これで懲りなきゃバカだよ」そんな会話をしていると。
「じゃ~ん!最低記録更新。
「十日間です」そのバカが突然入って来た。僕らは一斉に大きな溜め息を吐いた。
「会社十日で辞めたんだってな。お前、一回死んだ方が良いぞ。何回仕事辞めたか分かってるか?」とB。
「じゃ、お前は学校卒業してから何回クソしたか覚えてっか?職歴なんか俺にとっちゃクソみたいなもんだ」
「お前は甘えてるんだよ。女房の収入に頼って自分で働こうとしない、お前そのものがクソなんだよ」と激怒するB。
「お前らなんかに俺の気持ちが分かってたまるか!」どこかで聞いた様な捨て台詞を吐いて店を出て行った。
それと入れ替わる様にAが店に入って来た。
「ごめ~ん。仕事が片付かなくてさ」と済まなそうに席に着く。
「今、お前のバカ亭主が来てったぞ」とB。
「車で送ってもらったの。みんな高校の同級生だし一緒にって誘ったんだけどね。また無職だから気が引けるのかな・・・。昔
みたいにみんなで飲みたいね」全員が頷きながらAの言葉を聞いていた。
新しいビールが届くと、気持ちを切り替えてBが音頭をとる。
「それではAの課長昇進を祝ってかんぱ~い」
「そんなとこに居ないでお前もこっち来いよ」僕は人知れずカウンター席の隅に座るAの亭主で、僕等の友達でもあるEに声を掛けた。

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