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最終更新日:2024年04月19日
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第495話「詩会のお知らせ」

何の真似だろう。僕が会社から戻ると、祖父と父の会話が変だった。五七調?
「おい息子一緒に酒でも飲もうぞや」
「よし親父今夜はビールか日本酒か」
「まずはビールでいこうかな」
「つまみはコマイかスルメかな」
「それしか知らんバカ息子」
「水分の抜けた乾物じじいと同じ」
「ケンカ売るバカな息子をシカトする」
「つまみは何が所望かや?」
「ビールにゃやっぱりポテチだべ」
「ポテチだと?じじいの癖して若ぶるな」
「俺があんまり若いから嫉妬しているバカ息子」僕が笑って聞いているのを見て、祖父は僕に普通に訊いた。
「お前も参加しするか?」
「嫌だよ。さっきから何やってんだよ」
「今度、町内の敬老会で詩会があってな、それでちょっと練習してたんだ」今のが練習になるのかは、甚だ疑問だったが、町内にそんな洒落た行事を企画する老人なんて居たっけ?
僕は机の上に置いてある回覧板を手に取った。
(詩会のお知らせ・・・)
「詩会って書いてうたかいだべ?詩って俳句とか短歌の事でないのか?」と祖父。
二枚目を見ると出場者表というのがあった。
「ほら、ここに参加する人の名前と曲名を書くんだよ。詩会じゃなくて歌会だよ。漢字の変換を間違えたんだ」
「何か変だと思ったんだ。鈴木の爺め、紛らわしい間違いしやがって、カラオケ大会なら毎年やってるんでないか、何が歌会だ、こまっしゃくれた事書くから間違えるんだ」と怒る祖父。
「結局は、また今年もカラオケ大会か」と父が笑う。
「それしか知らん単細胞のワンパターン野郎だ」と祖父は言い残して自室に籠ると、今では骨董品の8トラのカラオケ機械を押入れから出して歌いだした。
「何か~ら~何ま~で~真っ暗闇よ~」居間まで聞こえて来る祖父の歌を聞いて、父は大笑いをしている。
「鈴木の爺さんのこといえないよな。うちの爺さんも単細胞のワンパターン野郎だ」
「うん、去年の歌と同じだ」

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