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最終更新日:2024年04月12日
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第506話「マーちゃん40」

友達の息子である小学五年生のマーちゃんは、勉強と運動はとても良くできるが、一つだけ苦手なものがある。それは絵を描く事。
「勉強ってやればできるじゃないですか、野球だってサッカーだって練習すれば上手になりますよね」
「そうだな。まあ、個人差はあるだろうけど、何事もやれば上達はするよな」
「だから僕も絵の練習をすることにしたんです」
「ほ~う。偉いな。でも前に受験科目には関係ないから下手でも構わないって言ってなかったっけ?」
「はい、僕は卑怯でした。苦手な事から逃げていたんです。自分で努力もせずに投げ出してしまうのは最低ですよね」何だか耳が痛い。
「そ、そうだな。努力することは大切なことだよな」
「そうなんです。結果はどうあれ、自分が納得するまで努力する。それでダメなら仕方ないじゃないですか」何だか自分の事を言われている様な気がして、少
し落ち着かない気分になった。
「猛練習してクラスで笑った奴らを見返してやります」
「クラスで笑われたの?」
「はい、先生まで思いっきり笑ってました」
「そっか、そりゃ悔しかったな。でも、それだけ頑張りがいがあるってもんだな」
「でも、一つだけ心配な事があるんです」とマーちゃんは急に深刻な顔をすると、自分の部屋から一枚の絵を持って来た。
「これ何を描いたか分かりますか?」見た瞬間、吹き出しそうになるが、奥歯をギュと噛みしめて堪えた。
「これは人だな。あっ、キリストがはりつけになってる絵だ。ほら、両手を広げてさ、髪も長いし、あれ?服着てる?キリストは服着てないよな」見れば見る
ほど分からない。人ではないのか?絵を見て悩んでいるとマーちゃんが映画のパンフレットを絵の横に置いた。
「あっ、タイタニックか!」それにしても酷い絵だ。
「遺伝ってどんなに努力しても報われないんでしょうか?だとしたら余りにも残酷です。悲し過ぎます」
「遺伝ってどういう事?」
「お父さんが描いたんですよ。その絵」

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