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最終更新日:2024年04月19日
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第517話「猫と嫁」

最近ダイエットに成功したらしいAは、三杯目のビールを飲み干すと、ジョッキをテーブルの上にドンと置いて言った。
「うちのミッちゃんってさ、可愛いんだ」Aは酔うと必ずミッちゃん自慢が始まる。
「えっ?なに?写真見たいって?そうか、そんなに見たいのか、仕方ないな~」とAは頼んでもいないのに、スマホをポケットから出して画面をいじり始めた。
「誰も見たいなんて言ってないって」Bと僕が笑う。
「そんな遠慮することないだろう、あんまり見せると減っちゃうからな。今日は特別だぞ」と勿体つけながらAはBにスマホを渡した。
僕も一緒にスマホを覗き込むと、凄い数の画像が並んでいた。毎日撮ってる様だ。
「もしミッちゃんに何かあったら大変だな」とB。
「そりゃ、もう俺は生きていけないだろうな」
「でもさ、随分太ったんじゃないか?」僕は腹が出てる猫の画像を見て言った。
「そうなんだよ、一度うちのやつに内緒で高級猫缶をやったら、それしか食わなくなっちゃってさ」
「ああ、よくあるパターンだなそれ、元の餌を食うまでほっとけば良いんだよ。その内に腹減って食う様になるから」猫を飼った経験のあるBが言った。
「馬鹿野郎、そんな可愛そうな事できるかよ」
「それじゃ、ずっと高級猫缶?」と僕が訊く。
「可愛いミッちゃんの為なら高級猫缶ぐらい何だってんだ。たとえ小遣いが全部無くなったって、俺は構わない」
「小遣いって何だよ?あっ、もしかして猫缶に掛かる分、減らされたのか?」と僕。
「そうなんだよ。ミッちゃんの食費が多く掛かる分、罰として俺の小遣いが半分になったんだ」
「えっ?半分ってどんだけ高級なのやってんだよ」Aの小遣いを知っているBと僕は驚いて言った。
「俺も半分は多すぎると思うんだけどさ、でもその分俺が痩せてきた。小遣い減らされた分、こういった飲み会も減っちゃったからさ」
「痩せたのは、ダイエットしたんじゃなくて、暴飲暴食がなくなったから痩せたってことか、要するに小遣いの殆どが贅肉になってたって事だな」とBが笑う。
「俺が肥えなくなった分、嫁さんが最近やたらと服やバッグを買う様になってな、私服を肥やしてる様なんだ」

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