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最終更新日:2024年04月19日
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第526話「愛娘の一言」

Aに暇だから遊びに来ないかと言われ、去年新築したばかりの家を訪ねた。
「仕事辞めたんだって?このご時世、あんな優良企業はめったにないぞ」3ヶ月前に会社を辞めたAに僕が言うと、少しうんざりした顔でAが応える。
「みんなから同じ事を嫌になるくらい言われたよ」
「まあだけど、いくら見た目は良い会社でも、実際中に入ってみなきゃ分からないって事もあるからな」
「そう、そうなんだよ、さすがお前は話が分かるな」
「ちょっと、変に肩持たないでよ、増々図に乗って仕事探さなくなるでしょ」と奥さんが僕に言う。
そんな話をしていると、小六の娘がQ-jin君を持ってやってきた。
「パパ、これなんか良いんじゃないの?運転手」
「パパは腰が悪いから長い時間の運転はキツイかな」
「そっか、じゃ、これは?農作業スタッフだって」
「それも重いコンテナとか持つのは辛いかな、ところできゅうじんくんは見つかったか?パパは見つけたぞ」
「うんうん、まだ、それよりパパの仕事探さなきゃね」
それを見た僕は、思わず呆れてAに言った。
「お前さ、普通は逆だろ、何で娘が仕事探してお前がきゅうじんくんなんだよ」
娘がまた言う。
「じゃ、これが良いよ」
「それは、本州じゃないか、パパと離れ離れになっちゃうけど良いのか?」
「毎日いなくてもパパは働いている方がミッチはいいな、その方がカッコ良いし」
「今のパパはカッコ悪いか」
「うん、ミッチは毎日家でゴロゴロしてるパパは大嫌い、友達も呼べないし、家のローンもあるのに・・・」娘は目に涙をいっぱい溜めて最後は叫ぶ様に言った。
子供ながらにこの先の生活を本気で心配しているのだ。
娘の一言でAは、まるで風船の空気が急激に抜ける様に、しょぼんとうな垂れ、小さくなった。
それから十日ほどして仕事が見つかったとAから連絡があった。
「子供ってちゃんと見てるもんなんだな」愛娘の一言が相当こたえたらしい。
周りがどんなに言っても、子供の一言にはかなわない。

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