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最終更新日:2024年04月19日
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第528話「猛暑の過ごし方」

会社から帰宅すると昼間の暑さを充分に吸い込んだ家の中は、驚くほど暑かった。
そんな中、祖父と父が言い合いをしていた。暑いのに御苦労な事だ。
「エアコン壊れたの?凄い暑いんだけど」久し振りに見た扇風機が首を振りながら、部屋の中の蒸し暑い空気をかき混ぜていて、何とも不快な風が一定の間隔
をおいて僕の顔をム~ンと撫でて行く。
「ほら、暑いってよ」と父は祖父が持つエアコンのリモコンを取ろうとする。
「もうダメだ!さっき少し入れたから温度も下がったろ、冷房は身体に悪いんだ。昔は冷房なんてもんは無かったんだ。暑い日はベランダを開けてナイター見
ながらビールを飲む、外を歩くと、あっちこっちの家からテレビの音や子供の声が聞こえてきたもんだ。それが今は窓を閉め切って冷房なんか入れやがって、
だから隣近所の関係が希薄になっていくんだよ。だいたい何だ、暑いって、夏は暑いに決まってるべ!」
「でもさ、今日の暑さは尋常じゃなっかたよ。37℃もあったんだからさ、身体が暑さで参っちゃうよ」と僕が言う。
「昼間はどうしてたんだ?俺達が居ない時もエアコン入れなかったのか?」と父が少し心配そうな顔で言う。
「当たり前だ!俺には扇風機で充分だ」と威張る祖父。
「まあ、今日はもう涼しくなったからエアコンはいいじゃないの」と言いながら母が夕食の支度を終えた。
食事を少しだけ食べ、食欲が無いと言って祖父は自室に入って行った。
「夏バテしたんじゃないのか?」と父。
少しして部屋から出て来た祖父は僕に言った。
「冷房なんか入れるもんだから風邪を引いたよ。熱が出てきたから、ちょっと病院まで乗せてってくれないか。夏風邪は、たちが悪いっていうしな。だから冷
房は嫌いなんだ」と言って父の顔をジロリと睨んだ。
僕は夜間の救急病院を調べ、頭も痛いと言う祖父を病院へと連れて行った。
冷房で風邪を引いたと言う祖父に、医者は言った。
「軽い熱中症ですね」

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