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最終更新日:2024年03月29日
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第553話「マーちゃん45」

友達の家に遊びに行った。
いつもなら息子である小学五年生のマーちゃんが迎えてくれるのだが、ドアを開けると、何やらやかましいモーターの音と共に、平べったくて丸っ
こい機械が、奥の廊下から僕がいる玄関目掛けて突進して来た。
このままでは玄関の上がり口の段差から落ちてしまう。
そう思って僕が手を伸ばそうとすると、機械は段差でいったん止まり、もと来た方へと戻って行った。センサーが付いてる様だ。
「あっ、いらっしゃいませ」
マーちゃんが出て来た。
「これってルンバじゃん」僕は平べったくて丸っこい機械を指さしながら言った。
ルンバとは全自動掃除機の名前である。
「そうなんです。懸賞で当たったんですよ」
「へ~っ、凄いな。ちゃんと綺麗になるの?」
「はい、音がもう少し静かだったら良いんですけどね」
僕は仕事中のルンバの横を、蹴飛ばさない様に素早くすり抜けた。
ルンバは僕たちの後ろをよくなついた犬の様について来ると、居間の中に入って来た。
「ほら、あそこがお家なんですよ」とマーちゃんが指差した場所へとルンバは進んで行き、自分で停止しして充電を開始した。
「へ~賢いんだな」
「そうなんですよ」
「お父さんより賢いかもな」と僕は笑う。
「はい、僕もそう思います」しばらくの間、僕とマーちゃんは僕が買って来た、たい焼きを食べながらテレビを見ていた。
そんな中、電話がなった。
「父がいつもお世話になっております。そうでしたか、大変ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします。では失礼致します」
マーちゃんは、大人顔負けの受け答えをすると、電話を切った。
「お父さんは、同僚の方のお家で酔いつぶれてしまったらしく、酔いが醒めたら奥さんが車で送ってくれるそうです」
「どうしょうもないな、遅いと思ったらそんなことか」
「やっぱりルンバの方が賢かったですね。仕事が終わったらちゃんと自分でお家に帰りますもんね」

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