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最終更新日:2024年03月29日
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第557話「逆襲のぎや~」

朝、部屋のドアが閉まる音がして目が覚めた。
僕はベッドから身体を起こし、誰か来たのか確認したが誰も居ない。気のせいか?、また布団を被る。
少ししてうつらうつらとしだした時に、またドアの音がした。そして小さな足音が階段を下りて行った。
隣りの家の孫である健太の仕業か?時計を見ると8時。日曜のこの時間は、僕にとっては充分に早朝だ。
ちょっと脅かしてやろうと、僕はベッドからシーツをはぎ取り、ドアの横に隠れて健太が来るのをじっと待った。
やがて階段を上る足音が聞こえると、静かにゆっくりとドアが開いた。
ドア越しに入る長細い明かりが、カーテンを閉め切った薄暗い部屋に射し込み、ベッドの上を照らす。
「あれ?どこだ?」健太が首を傾げた瞬間。
「うわっ!」シーツを頭から被った僕が飛び出す。
「ぎゃ~!うえ~ん」と物凄い声で健太が泣き出した。
「あ~ごめんごめん」四歳児にはちょっときつかった様だ。
泣き声を聞いた祖父が飛んで来たので説明をした。
「ははは、どこか怪我でもしたかと思ってビックリしたぞ。男のくせに臆病な奴だな」と笑う祖父。
その後、僕は近くのスーパーに健太とお菓子を買いに行ったりして、ようやく健太に機嫌を直してもらった。
母が洗濯をするというので、健太を脅かした時のシーツを部屋に取りに行くが、見当たらない。
母が持ち出したのかと思い、階段を下りて祖父の部屋の前を通るとドアが少し開いていた。
中を覗くと、カーテンを閉めた薄暗い部屋で祖父が口を開けて昼寝をしている。
その横にシーツを被った健太がのっそりと立っていた。
ちょっと怖いかも・・・。僕はじっと成り行きを見守った。
健太が祖父の頬を小さな指でツンツンと突く。僕は吹き出しそうになるのを我慢して両手で口を押える。
更にツンツン、ツンツンと健太が続けると。
「ふげ~!ぎゃ~!!!」目ん玉をひんむいて、大声で絶叫する祖父がよほど怖かったのか、健太も祖父に負けないぐらいの大声で泣き出した。
でも泣きながら一言。
「男のくせに~怖がりだ~」

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