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最終更新日:2024年03月28日
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第575話「マーちゃん49」

廊下を歩いて居間に向かうとマーちゃんの声がした。
マーちゃんとは、友達の息子で小学五年の男の子だ。
父子家庭なので、家の事はマーちゃんがやっている。
僕は時々こうしてマーちゃんの様子を見に来ているのだが、父親である友達よりもマーちゃんといる方がずっと楽しい。
でも、時々思う事がある。僕のレベルが低いのか、それともマーちゃんが高いのか。
「僕が誰と話そうが、結衣ちゃんには関係ないでしょ」
「私は嫌なの!他の女子とマー君が仲良く話してるなんて許せない!」ち、痴話喧嘩?相手は前に遊びに来たクラスの結衣ちゃんだ。
「私達、付き合ってるんだから」焼きもちの様だ。
「ちょっと待ってよ、僕はそんなつもりはないよ。まだ僕達は小学生だし、男女交際は早いよ。それより今は、たくさん友達を作ってみんなと楽しく遊んだりする事の
方が大切だと思う」
「じゃ、私も他の女子と同じだっていうの?」
「僕はそう思っているよ」
「ひどい、女ごころをもて遊ぶなんて最低!」女子の方がませているのは今も昔も変わらない様だが、それにしても女ごころって・・。
やはり小さくても女は女か。
「結衣ちゃんこそ、僕の気持ちを理解しようとしないじゃないか!それに僕は結衣ちゃんの所有物じゃない」
「もう、最低!大キライ!」 突然ドアが開き、結衣ちゃんが出て来た。一瞬、僕と目が合う。
「おじゃましました!」と結衣ちゃんは言い残し、泣きながら飛び出して行った。
「モテル男も大変だな」
「あっ、いらっしゃい。聞いちゃいました?」
「はい、聞こえちゃいました」と僕が笑う。
「でも、大丈夫か?明日学校に行ったら、クラス中の女子が口利いてくれないかもしれないぞ」
「それはないです。結衣ちゃんは、女子の中で孤立してますから、それで僕なりに考えて一緒に遊んだりしていたんですけど・・・・女子は分からないです」
「そうそう、そうなのよ。これがさ、大人になるともっと分からなくなるから。この前も家の奥さんがさ・・・」
特にこんな時に思う、僕のレベルが低いのか、それともマーちゃんが高いのか。

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