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最終更新日:2024年04月19日
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第605話「油断大敵」

隣りに住む祖父の友人の源じいがやって来て言った。
「いや~夕べはちっと飲み過ぎたな」
「そうだな。やっぱり若い頃の様には行かんな。酒も年々弱くなるしな」と祖父。
「ちょっと下し気味なんだけど、薬ってあるか?切らしちゃったみたいでな」
「あるある、ちょっと待ってろ」と言って祖父は薬箱から正露丸を取り出し、源じいに渡した。
「あれ?今日は健太は来てないの?」と僕。
「今、ウルトラマンを見てるから終わったら来るんじゃないか?」健太とは、源じいが時々預かる四歳児の孫の事で、
いつしか我が家にも遊びに来る様になった。
「したいかな?って思ったら直ぐに便所行った方がいいぞ。しまりも悪くなってるから我慢は絶対禁物だぞ」と祖父が
注意する。
「そうだな。じゃ、そろそろ帰るわ」
「何だ、もう帰るのか」
「今がしたいかな?って時なんだ」と源じいは立ち上がりながらそう言った。
「じゃ、家でしてけ。油断大敵だぞ」
「大丈夫だって、まだ余裕あるから」そう言うと源じいは、気だるそうな足取りで家へと帰って行った。
それから間もなくして健太が叫びながらやって来た。
「源じいが大変だ~」
「どうした!」と驚く祖父。
「死にグソだ~源じいが死んじゃう~」と泣き出す健太。
「何だよ、死にグソって」意味の分からない事を言う健太に僕が訊く。
「死んだらウンチむぐすって源じいが前に言ってた~。だから死んじゃう~」と更に泣き声が大きくなる。
「だから言わんこっちゃない。間に合わんかったんだ。あのバカ」と祖父。
僕が笑いながら健太に説明をする。
「源じいは死なないって、お腹壊して便所に間に合わなかっただけだ。健太もそういう時あるだろ?」
「うん、ある。だけど大人なのにウンチむぐすのか?」
「そうだな、大人でもそういう時はあるんだ」
健太は泣き止むと、急にゲラゲラ笑いながら言った。
「クソジジイだな」

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