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最終更新日:2024年04月19日
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第606話「律子さん83」

私は紅茶を飲み終えると、ソーサーの上にカップを戻しながらA子に言った。
「ちょっと、このカップってマイセンじゃないの?」
「うん、そうだよ」A子はカップから口を外すと、おっとりとした口調で言った。
「高いんでしょう?」
「そうでもないよ」
「あんたのそうでもないよは、我々庶民とかけ離れたところがあるからね」
「そんな事ないって」
「じゃ、いくらよ」
「3万くらいだったかな?」
「ほらほら、これ1つ3万ってことは、私とあんたの合わせて6万だよ」
「普通はそれくらいするでしょう。来客用なんだし」
「しないしない、6万ったらさ、ほら、このテーブルだって買えちゃうよ」と私はテーブルをポンポンと叩く。
「これは6万じゃ無理だよ」と笑うA子。
「いや、これそのものを言ってる分けじゃないからね。こんな感じのテーブルってことだから・・・ちなみにこのテーブルっていくら?」私のイライラがつのる。
「主人がイタリアに行った時に気に入って買ったやつなの。120万ぐらいだったかな?それと運賃が凄く高かった」
「テーブルにそんなお金かけられる人って、そうそういないからね」
「まあ、そうかな」
「家だって大きくて立派だし、ガレージには高級車が3台もあるし、腹立つぐらい金持ちなんだよ」イライラする私にA子はミッキーの腕時計を見て言った。
「ねえ律子、もう行こうよ」
「ちょっと待って、私はね、何も全身ブランド品で固めろって言ってるんじゃないの、何で?何でそこまで身に着ける物に対して無頓着なの?出掛けるってのに、その恰好はないでしょう」
「えっ?変かな?」
「グリーンのパンツにヒョウ柄のトレーナーってどうなの?サナギになりかけの青虫じゃないんだからさ、大体どこに売ってるのよ」
「ネットで買ったの。トレーナーが1,980円でね、パンツ1,000円だったかな?」
「だからそこよ。そこなの、なんでそんなに偏っちゃうの?もっと平均取れないもんかな。あ~イライラする」

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