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最終更新日:2024年04月19日
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第608話「Sの被り」

ラーメンを食べながら加藤が嬉しそうに言った。
「美味いな。奢りだと尚更美味く感じるな」 加藤の言葉に、幸せそうな顔で頷く女子社員。
「僕の奢りですから、ちゃんと味わって食べて下さいね」と山本が笑う。
新元号が一文字でも当たればラーメンを奢るという事で、和という字を加藤と女子社員が当てたので、外れた山本が奢る事となった。
「俺だって当たってたのに」無意識とはいえ、自分の町内会の名前を言った羽賀が不満そうな顔で文句を言うが、パクリだという事で失格となっていた。
次の日の朝、女子社員が羽賀に言った。
「羽賀さんの清和は、最初から問題外だったんですね」
「どうしてだよ?」
「函館の読者の方から、清和も昭和と同じで、イニシャルがSで被ってるって指摘があったんですよ」
「あっ!確かに被ってるな。もしパクリじゃなかったとしても、ダメだったって事だな」と加藤が笑う。
「読者から突っ込みが入ったって、大事じゃないでしょうか?」と真顔の羽賀。
「そうか?そんな大事か?」
「そりゃそうでしょう。KONなんどうでShowに突っ込みが入ったんですよ。これ以上の大事はないでしょう。ラーメンで許してあげてもいいですよ」
「えっ?俺がお前に?」
「加藤さんが僕の清和を大絶賛したから、皆がSの被りに気付かなかったんです」
「何だよそれ、言い掛かりにしても強引過ぎるだろう。まあ、良いか、何でも好きなの頼んでおけ」と笑いながら加藤は出掛けて行った。
それを見届けると、羽賀は小声で女子社員に言った。
「今日、財布忘れたんだ」
「それで難癖付けて加藤さんに奢らせたんですね」
昼近くに羽賀はラーメン屋に電話をするが、いくらかけても出ない。
出先から戻ったばかりの山本を見ると、手にはコンビニ弁当が。
「あれ?今日もラーメンじゃなかったのか?」
「今日は定休日っすから」
「えっ?それって加藤さんも知ってるのか?」
「知ってるはずっすよ」

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