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最終更新日:2024年04月19日
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第615話「マーちゃん57」

友達の息子である小学五年生のマーちゃんが、暑い中ベランダにしゃがみ込んで、何か作業をしている。
「家のベランダが、あまりにも殺風景なんで、お花でも植えようと思いまして」プランターに土を入れながら、マーちゃんが言った。
「えっ!種から?今時期は、苗が売ってんじゃない?」
「そうなんですけど、こっちの方が安く済むし、楽しそうじゃないですか」
「まあ、そうだけどさ」と言って、僕が種の袋を何気に手に取って見る。
「マリーゴールドか、これって、一袋にこんなにいっぱい入ってるんだ」
「そうなんですよ。これ全部植えたら凄い数ですよ」
「プランターもこんなにどうしたの?」
「上の階のおばさんが引っ越しする時に、いらないって言うから貰ったんです」
「これ全部に植えたら花畑になっちゃうな」
「そうですね。さすがに全部は多いですよね」ベランダには、もう既に何袋かの土が積んであった。
「土も買って本格的じゃん」
「はい、お父さんとホームセンターで買った来ました」
「ちょっと多くない?プランター全部使ってもまだ余りそうだけど」
「僕もそう言ったんですけど、お父さんが、足りなくなってまた買いに来るのも面倒だって」横着なあいつらしい考えだ。
それから一週間ほどして行ってみると、ベランダには、大量のプランターと植木鉢が置いてあった。
「あれ全部植えたの?」僕が驚いて訊いた。
「いいえ、小さな苗を間引きしなくちゃいけないんですけど、せっかく芽が出たのに可哀そうになっちゃって、それで植え替えしたら、こんなになっちゃいました」
まだ小さいが、どの苗も元気いっぱいといった感じだ。
「そっか、マーちゃんらしいな」と僕が笑った後で友達が居ない事に気付き、何処に行ったのか訊く。
「お父さんは多分パチンコじゃないでしょうか」
「あいつこそ間引いた方がいいかもしれないぞ」
「はい、僕も時々そう思います」

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