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最終更新日:2024年04月12日
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第619話「律子さん85」

昨日のカレーの残りでカレーうどんでも作ろうかと思っていたら、何日か前に主人がハンバーグを食べたいと言ってたのを思い出した。
カレーとハンバーグが好きって、まるで子供だね。
私がハンバーグを捏ねているのを見て、主人は嬉しそうに言った。
「おっ、僕のリクエストに応えてくれたんだね。楽しみだな~」主人はそう言い残すと台所を出て行った。
私はハンバーグを焼きながらふと思った。そうだ!ハンバーグカレーにしよう。
お風呂からあがり、上下のスウェットに着替えた主人は冷蔵庫から缶ビールを取り出し、食卓へと着く。
「は~いできました~」と私が主人の前にハンバーグカレーの入った皿を置く。
「ウソでしょ?ありえないから」と主人の顔が強張る。
「なに、どうしたの?」
「何で?何で一緒にしちゃうわけ?」
「えっ?ダメなの?」
「ダメに決まってるよ」
「両方とも好きでしょ?」
「だから一緒にしたらダメなの!ハンバーグとカレーは、僕の中ではいつでも偉大なメインディッシュなんだ。それぞれ独立した食べ物なんだ。それを一緒にするなんて、勿体なさ過ぎる」
面倒な奴、私の中で何かが切れた。
「マジか!マジで言ってんのか!たかがハンバーグカレーでしょう。ああそう、嫌なら食べなくて結構です」 私は主人の前から皿を取り上げた。
「な、何すんだよ」
「捨てるんだよ」
「ちょ、ちょっと待って!何てバチ当たりな事するんだよ」
「食べないんだったら取って置いたって仕方ないじゃん」
「わ、分かった、分かったからお願い、食べるから」
「いいって無理しないで」
「無理じゃない無理じゃない」と顔をブルブルと振って訴える主人。
「他に何か言う事ないのか!」
「僕が悪かったよ。御免なさい。捨てないで下さい」
「よし、じゃ許してやるか」
主人はハンバーグカレーを一口食べてから言った。
「うんま!何て贅沢なんだ」
後片づけをしていてふと思った。確か主人のランキングでは、ハンバーグよりカツの方が断然上のはずだ。
ハンバーグでさえあんなに大騒ぎだったのに・・・どうなるんだろう?
私は鍋の中に残ったカレーを見て、ふとそう思った。

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