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最終更新日:2024年03月28日
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第626話「マーちゃん59」

今日は土曜の夜、友達の家に遊びに来のだが、インターホンを押しても誰も出て来る様子がない。
僕が何気に玄関のドアノブを引くと、スッとドアが開く。鍵はかかってない。
「物騒だな、忘れたのかな」と僕は独り言を言いながら玄関に入ると、ドアを閉めて鍵を回した。
ソファーの上では、マーちゃんが気持ち良さそうに眠っていた。
少しだけ開いたベランダの窓からペトペトと雨の音だけがする。
「お~い、マーちゃん。風邪ひくぞ!」と僕はマーちゃんの身体を揺する。
マーちゃんとは友達の息子で、小学五年生の男の子だ。正直、友達よりこの子と居る方が楽しい。
「あっ!ご免なさい。いつの間にか寝ちゃった・・・」
「雨の音がさ、いい感じに眠気を誘うよな」
「そうなんですよ、何だか気持ち良くなってきちゃって・・・」と言いながら、マーちゃんは少し冷たくなった空気が入る窓を静かに閉めた。
「これは家の奥さんからで、のり巻き。それとマーちゃんの好きな店の唐揚げと焼き鳥買って来た。それと美味そうだったからピザも買って来た」更に飲み物もテーブルに置くと、大喜びするマーちゃん。
「どうせあいつも遅くなるだろうし、二人で食べよう」
「はい、今日はご飯仕度をしなくても良いから嬉しいです」と、まるで主婦の様な事を言うのは、ここの家は父子家庭の為、家の事はマーちゃんが全部やっているからだ。
「今日の主婦業は休みだな」と僕が笑って言うと。
「はい、ありがとうございます」と本当に嬉しそうに礼をいうマーちゃん。
「でもこんな日にお父さんも会社の飲み会って可哀想。今日は泊まって行ってくれるんですよね」というマーちゃんの言葉が、安っぽい不倫ドラマのセリフの様で、思わず吹き出しそうになる。
「ああ、家内には仕事で徹夜になるかもしれないと言ってきたよ」何の事かと目が点になるマーちゃん。
「ご免、ちょっと言ってみたかっただけ」つづく。

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