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最終更新日:2024年04月19日
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第636話「甘い誘惑」

 待ち合わせの居酒屋へ行くと、既にAとBが飲んでいた。
久し振りに会ったとはいえ、あまりのBの変貌ぶりに僕は思わず固まってしまった。
「何だ?お前もか!」とB。
「ほら、俺だけじゃなかった」とAが大声で笑う。
「どうした?その顔っていうか・・・全部だな。どこか悪いんじゃないか?」
一年弱で人ってここまで変われるものだろうか?
「人間やろうと思えば、短期間で、こ~んなに太る事ができちゃいま~す」Bを指差して笑うA。
「やろうと思ってなったんじゃないわい!」
「よっぽど努力しなきゃそこまではならいぞ」と僕。
「努力も全然してないし」
「マジで何でそんなに太ったんだ?」とA。
「食ったからだよ」と当然の様に言うB。
「悪魔の実か?そりゃぁ~ブタブタの実だ」と笑うA。
「甘い物!おやつとか夜中に食っちゃうんだ。歩いて三十メートルぐらいの所にコンビニがあってさ、一度小腹が空いたからって買いに行ったのが運の尽きでさ、それから毎晩よ」
「夜中まで起きてっからだろ、早く寝りゃ良いんだ」とA。
「俺もそれはやった。でも腹が減ってどうしようもなくなって、気が付けば三十メートル先のコンビニだよ」
「引っ越せば良い。コンビニがない所に」僕は冗談で言ったつもりだったが。
「うん、もう引っ越した」
「エ~ッ!」いきなりのBの言葉にAと僕は驚く。
「いつ越したんだ?」と僕。
「半年ぐらい前かな」
僕とAはもう一度Bの身体全体を見回した。
「じゃ、半年前はもっと太ってたって事か?」と僕。
「いや、もっと細かった」
「どして?」Aと僕が同時に困惑した顔で訊く。
「環境がな~悪いんだな~」
呆れて言葉が出ない僕の横でAが言った。
「お前はバカか!環境を変える為に引っ越したのに、またコンビニの近くか?」
これは間違いなく確信犯だ。
Aは嬉しそうに笑うと言った。
「うん、それが困った事に前より環境が悪化しててな、悲しい事にコンビニが俺の部屋の直下になっちゃったんだ」

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