叔父から電話が来た。
「なあ、お前、土地買わんか？良い物件があるんだわ」不動産業を営む叔父は、僕が電話に出る早々こう言って来た。
「何言ってるのさ。五年前に家建てたばかりだし、土地なんていらないよ」
「馬鹿だなお前、投資だよ投資。金がなけりゃ俺が貸してやるよ」
「それじゃ叔父さんが自分で買えばいいしょ」
「いやいや、税金がな。これ以上不動産を持つと、税金が大変なんだよ」
「でも、そんなに良い物件だったら、長い間抱えなくても売れるんじゃないの？」
「確かに直ぐ売れそうなんだけどよ・・・」何だかいつもと様子が違う。一応値段を聞いて驚いた。
「うそっ！何、そんなに安いの？あっ、それって宅地じゃないんでしょ。家とか建てられない物件なんじゃないの？」
「へき地でもあるまいし、市内のど真ん中で家を建てられない様な物件があると思うか？」確かに叔父の言う通りだった。
「でもな、ここの土地は不思議な土地でな、持ち主が何人も変わってるんだよ。今は更地になってるんだけど、最初に住んでいた人が一家心中してな、その次に買った人も不慮の事故で死んで、その次の人も・・・」
「もういいってば。なんでそんな物件紹介すんの！」
「お前は昔から運が強い方なんで大丈夫かと思ったんだけど・・・やっぱり嫌？」