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最終更新日:2024年03月29日
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第657話「マスク」

昼休みに社員の山本がネットを見ながら言った。
「マスク高いっすね」
「マスク不足で夜通し作ってるから、コストが掛かってるんだろ」と羽賀。
「時間外手当とかっすかね」
「それもあるけど、色々な経費が掛かるんだろう。おかげで最近、ポツポツ出回ってきてるみたいだしな」
「でも、まだ売り切れが多いっすよ」
「私みたいに手作りするのが一番安上がりですよ」と女子社員が、自分のしている花柄のマスクを指さす。
「意外と器用だよな」
「意外は余計ですけど、これくらいなら誰だって簡単に作れますよ」
「求人くんのハンカチでマスクを作る記事も反響があるみたいっすね」
「ああ、これな」と羽賀が自分のマスクを指さす。
「子供が俺のハンカチでマスク作るもんだからさ、余ったハンカチったら子供のしかなくてさ」
「お子さんってハンカチ使わないんですか?」
「そんなもん使わないよ」
「僕等も学校で手を洗ったら、ペッペッてしてズボンとかで拭いてましたもんね」
「ああ、男子ってそうか」
「で、ネットでマスクは見つかったのか?」
「ええ、まあ、無いよりはましかと・・・ちょっと恥ずかしいですけどね」
何日か後、出社した山本を見て皆が大爆笑した。
「恥ずかしいって言ってたのは、そういう事か」笑いの渦の中、羽賀が言った。
「そうなんすよ。これしかなかったんで。あっ約束の時間だ。行って来ま~す」
「ちょちょ、ちょっと何処行くんだ?」と慌てる加藤。
「何処って得意先っすよ」
「お、俺の予備をやるからそれだけはやめろ」
「俺のもやるよ。俺のも俺のも」と皆が後に続く。
白いマスクをたくさん貰った山本は、大いに感謝しながら出掛けて行った。
「あんな、なまめかしい唇がプリントされてるマスク買うか?」と呆れる加藤。
「全く、恥ずかしくないんですかね」と羽賀。
「お前だって人の事言えるか!何だそのピカチューのハンカチマスクは!」

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