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最終更新日:2024年04月19日
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第658話「ソーシャルディスタンス」

祖父がテレビを見ながら愚痴っぽく言った。
「健太も来ないしな~」
「昨日、電話来てたじゃん」
「ああ、爺ちゃんが死んだら困るから会えないだってよ。俺は健太に会わないと死んでしまうって言ったら、困った~困った~って言いながら泣き出してな」
「またそういう困らせる様な事言う」
「まあ、可愛いもんだな」
「そりゃ~俺の孫だもん」 気が付くと、隣りに住む祖父の友人である源じいこと源造さんが、マスクをして立っていた。
「それにしても暇だなおい。何かやる事ないか?」と愚痴っぽく言う源じい。
「どうせ将棋でも指しに来たんだべ?」と笑う祖父。
「ふん!そしたら将棋盤を挟んで、ソーシャルディスタンスといくか」
「何だ?ソールデリシャスって新しい林檎の名前か?」
「デリシャスじゃなくてディスタンスだよ。人との間隔を空けるってこと」と僕。
「間隔ってどのくらいだ?」
「六尺六寸だ」
「そんなにか!」将棋盤から離れて座る二人。
何も尺で言わなくても・・。
「こりゃ無理だな」と祖父。
「違うよ、将棋盤からそれぞれ二メートル離れたら、四メートル離れた事になっちゃう」と僕。
「おおそっか、変だと思ったんだ。これじゃいくら何でも遠すぎるもな」と祖父が笑い、お互いの距離を詰めてはみるが・・・。
「こんなもんか・・」祖父。
「だな・・・」源じい。
「全然届かん。将棋はやるなってことか・・」と祖父。
「いや、足なら届くぞ。こうやって足の指に駒を挟んでだな・・・・」
「おい!やめとけ」
「あらっ?あっ、いてててあ、足が~足が吊った~。あっ?こ、こ、腰が~腰も」プ~ッ。
「騒々しい奴だな。最後に屁までこきやがって。だから言ったべ!腰痛持ちが無理な格好するからだ。
だけど、やる事ができて良かったな」祖父が笑う。
「やる事?何の事だ?」
「寝る事だよ。しばらく寝とらんきゃ治らんだろう。そのギックリ腰はよ」

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