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最終更新日:2024年03月29日
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第667話「このこどこのこ2」

リビングの鴨居ギリギリに入って来るサトルを見て祖父が言った。
「でかいな~何センチだ?」
「185かな」
「大谷よりも小さいのか」
「大谷って?」
「大リーガーの大谷だ」
「ああ、あの大谷ね」
「弟のアタルもでかいもな」
「あいつは193あるかんね。俺よりでかい」
「大谷と同じでないか!」どうやら祖父の中で、身長の高い人間は、全て大谷が基準になってる様だ。
カゴの中で気持ち良さそうに眠っているミツキを見て父が言った。
「マサルの兄貴が危篤とかで、夫婦で北見に行ったんだ」マサルとはサトルの父親で、父とは同級生だ。
サトルが急に父親になった理由はこうだ。ミツキを産む気がなかったサトルの彼女は、子供には一切関知しないとの条件で、サトルの産んで欲しいという願いを聞き入れた。
出産後の彼女は、サトルとも別れて東京へ。なのでサトルは未婚の父ということになる。その後、両家の親同士でかなり揉めた様だが、サトルの当初の希望通り、ミツキを引き取り育てる事になった。
その後、ニートだったサトルは子供の為に働く様になり、仕事に行っている間は、サトルの両親がミツキの面倒を見る事になった。
「ほら、サトルも就職したばかりだし、何かと休みにくいだろからさ、今日は私が休みだったもんだから預かったんだよ」とミツキを見ながら笑顔で話す母。
「サトル、メシはどうするんだ?帰ったって誰も居ないだろ」父が心配する。
「ああそうだよね。良かったら家で食べて行きな。大したもんないけどさ」と母。
「どうせなら泊まってけ、明日も仕事だべ?」と祖父。
「良いの?良かったな~ミツキ」サトルは大喜びで家に着替えを取りに行った。
「明日も預かるって、お袋居ないのに?」誰となく僕が疑問をぶつける。
「大丈夫だ。俺が居る」
「えっ?爺ちゃんが?」
「赤ん坊の一人や二人、見れんでどうする。俺はお前で慣れとるから大丈夫だ」
「俺の面倒はちっとも見なかったらしいけどな」と父。
「よく婆ちゃんが言ってたよ。抱っこすらしなかったって」と僕が笑う。
「こいつ、気が付いたら大人になっとったもんだから」
「そんなわけあるか!」  つづく。

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