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最終更新日:2024年03月28日
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第681話「マーちゃん70」

親子二人が驚いた様子で、僕の話を聞く。
「宿題が約束だって考えも、それはそれで良いと思う。考え方は人それぞれだから。 だけどさ、清濁併せ吞むって言葉知ってる?」
「何となく分かります」
「全てが清だと生きにくいよ。それでも、理不尽だと思う約束を嫌々でも守りたいのであれば、割り切れば良いよ。薄汚い社会に出る為の訓練だと思ってね」
「子供に夢も希望もない事言ってどうすんだ」
「この世は、正直者が損をする様になってるんだよ」
「何があったんですか?」
「聞いてくれるか?」 親子二人が黙って頷く。
「ここに来る時にたい焼き買って来ようと思ってさ、いつも買う店に行ったら、焼き上がるまで三十分ぐらいかかるって言われたんで、三十分後に行ったら、間違って他の人に売っちゃったって」親子二人が顔を見合わせる。
「仕方ないから、また頼んだら、今度は四十分かかるって言われてさ、それでまた四十分後に行ったら、店の人が代わってて、知らずに全部売っちゃったって。 ありえるか?俺がしたのは約束だよな。それをことごとく破られたんだぞ」
「そ、それは酷いですね」
「で、その後はどうした?」
「あったま来たから、散々ごねてやったよ。一時間以上も無駄になったって、そしたら明日この時間に来てくれたら一個サービスするって、だけど欲しいのは今日じゃん。明日はここに来れないしさ、今直ぐ焼いてくれって言ったら、今日はもう餡が無くなったから焼けないとか抜かしやがって」
「僕の為に買おうとしたたい焼きですよね。明日、僕が取りに行けば一個おまけして貰えたじゃないですか」とマーちゃんが笑う。
「俺だって食べたかったし」
「そっか、そりゃ悔しい思いしたな。良かったらこれでも食えよ」と言って友達は笑いながら、見慣れた紙袋をテーブルの上に置いた。
「これって角の店のか?」
「ああ、一時間ぐらい前に行ったら、ちょうど焼けたとこでな、美味いよな。ここのたい焼き」つづく。

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