僕がたい焼きを食べ終えると友達が言った。
「少しは気が晴れたか？」
「やっぱり約束は守らないとダメです」とマーちゃん。
「・・・そうだな」と僕。
「今回は事故みたいなもんだよ。意図せず起きる事って沢山あるじゃん」
「確かにそうかもな、だけど立て続けに事故るか？」
「そういう事もあるって」
「それにしても、俺のたい焼きを、お前等が買ってたとはな、まあ、たい焼きぐらいで大人気なかったよな」と少し反省する。
「さっきの宿題の件なんですけど、僕は約束か約束じゃないかは、それぞれの考え方として、どっちにしても、やらなくちゃならないと思うんです。それは、自分の為ですよね」
「そうだな、子供なんてほっといたら遊んでばかりで勉強なんかしないから、勉強する習慣がつく様に、宿題で紐づけしてるって事なんだろうな」
「僕達は、色々なものに興味があるので、宿題なんかやってる暇はないんですよ」と笑うマーちゃん。
「そうだよな、好奇心の塊みたいなもんだからな。また、そうじゃないと困るし、好奇心の中から新しい発見が産まれる訳だから」
「大人になると、大体の事は経験済みだから、大して好奇心も湧かないしな。だから好奇心いっぱいの子供が羨ましいよ」と言う友達に、マーちゃんが笑う。
「えっ？何で笑うんだよ」と憮然とした顔の友達。
「ディズニーランドに行った時、お父さんパレードについて行っちゃって迷子になりましたよね。僕がアナウンスしてもらって、迷子のお父さんを見つけたんですよ。普通、あれって反対ですよね。好奇心いっぱいで、僕の事なんか頭の片隅にもなかったんですよね」
「またその話か」と友達は苦虫を噛み潰した様な顔をする。
「好奇心の中から新しい発見が産まれるんだから、もっと進歩するのかもよ」と僕。
「まあ、アインシュタインも好奇心の塊みたいな人だったらしいしな」と友達。
「味噌もクソも一緒にしてはダメですよ」
「うん？一応確認するけど、どっちが味噌でどっちがクソだ？」と友達。
「それは言わずもがなです」