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最終更新日:2024年04月19日
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第98話 「動物好き」

本州にある大学の獣医学部に通っている友達がいた。毎年、年末から正月明けまでは帰郷し、地元で過ごしていたので、その時期に親しい友達数人で飲み会をするのが恒例となっていた。
彼とは高校の頃一緒だったが、学年内でも成績は常にトップクラスの上、スポーツも万能で顔とスタイルも抜群に良く、性格も良い。全く非の打ち所が無い。当然、女子からもモテモテで、毎日の様にラブレターを貰い、ストーカー紛いの女子までいるほどだった。
恒例の飲み会でAが言った。
「彼女はできたか?」
「うん。去年の夏にね」彼のこの言葉に対し、僕も含め、その場に居た全員が顔を見合わせた。
『たで食う虫も好き好き』とは良く言ったもので、彼ほどの男がなぜ?と思うくらい個性に富んだ子を選ぶ。
「そう言う会話になるだろうと思って写真を持って来たんだ」と彼は言うと、財布から写真を取り出した。
それは、彼の母親が、料理好きの彼女にエプロンを送った際に撮った物だった。
その写真をAが受け取ると、周りには一瞬にして円陣ができ、全員が期待と不安の中、写真を覗き込む。
どう見てもエプロンというより、金太郎の腹当てにしか見えない。円陣の中では声を潜めたミーティングが始まった。
「また随分と個性的と言うか、何と言うか・・」とA。
「美女と野獣の逆バージョンだなこりゃ。でも確実にパワーアップしてるよな。どこで見つけるんだ?こんな凄いの」とB。
「でもホント歯がゆいよな。あんだけルックスも性格も良いのに何でだ?」とA。
「あいつ動物が好きだから、それと同じ目線で女を見てるんじゃないか?」とC。
「動物か、前の彼女はハムスターみたいな目って言ってたもんな」と僕。
その時、彼が来て言った。
「可愛いだろ?それに彼女のうなじって、色っぽいんだ。ライオンのうなじ見たいでさ」

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