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最終更新日:2020年08月05日
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第323話 「ボケ2人組」

ある日曜の朝、祖父の部屋の前を通ると、中から何やらガサゴソと音が聞こえて来た。僕は静に部屋の戸を開けると祖父に言った。
「爺ちゃん。何してるの?」
「これ見てみろ。懐かしいだろう」と言いながら、古いアルバムを僕に見せた。
「随分と昔の写真だね。爺ちゃんと婆ちゃんも若いな」
「そうだな。この頃はバリバリだったな」
「バリバリって何が?」
「うん?何だろな。全てだな。全てにおいてバリバリだった」
「良くわからんけど、元気だったって事?」
「まあ、そんなところだ。あっちもこっちも全部元気だった」
下ネタに走りたいのは分っていたが、面倒だった。アルバムのページをめくると僕が言った。
「これは親父だな。抱いているのは・・俺か・・?」
「そうだ、お前だ」
「でも随分写真が古いんじゃない?それにアルバムもかなり昔のだよ」
アルバムの台紙は、少し厚めの紙で出来ていて、粘着性は無く、写真の四つ角を三角のコーナーテープで止めてあった。ページをめくる瞬間、親父が僕を抱いてる写真が剥がれて床の上にポロリと落ちた。写真の裏側には、僕が生まれる遥か前の日付と二人の名前が書いてあった。
「これ、親父じゃなくて爺ちゃんの若い時じゃん。抱かれているのが親父だよ」
「そうか?これは俺か?こんな顔だったっけかな?」
「そうだよ、ここにちゃんと書いてあるもん」
二人でアルバムを見てると、結構な時間が経った。
「あれ、何を探してたんだっけな」急に思い出した様に祖父が言った。
「何か探してたの?」
「うん、何か・・・あっ!そうそう、ペンチだ!」と言って引き出しの中からペンチを取り出した。
「はて・・・?」
「今度は何だよ」
「ペンチで何をするんだったっけな・・・」
それを聞いて一瞬大笑いした僕だったが、ハッと気付いて笑うのをやめた。と同時に自分でもヤバイと思った。
「ここに来る前、何しようとしてたんだっけ・・・」

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