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最終更新日:2020年08月05日
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第325話 「2軒目の店②」

 店の女の子が言った。
「ホントご免なさいね。二人ともドン引きだね」
「いや、そんな事ないよ。まさかこんなとこで歴史の授業を受けるとは思わなかったんで、ちょっと驚いただけだよ」と加藤は笑いながら言った。
「そっか、社会の先生だったんっすね」と山本。
「そうなの。もう十年以上も前の事だけどね。あっ、ちょっとご免ね」と言って女の子は立ち上がり、カウンターの方へと行った。
「おい、あの子可愛いな」小声で加藤は山本に言った。
「そうっすね。でも、少し歳っすね」
「確かに歳は取ってるけどなかなか良いんじゃない?」
「僕はママが好みっす」
「うん、なかなか良い女だ。オッパイがもう少し大きけりゃ文句ないんだけどな。だけど、ここって結構穴場かもな。みんな可愛い子ばっかだもんな」
「そうっすね。偶然店の戸を開けた羽賀さんに感謝っすね」
女の子は灰皿を持って戻って来ると、加藤と山本の間に座った。
「完全に寝てるのね。首、大丈夫かしらね」
座ったまま、ソファーの背もたれの上に後頭部を乗せ、顔を天井に向けて眠っている山本を見て女の子が言った。
「大丈夫、大丈夫。いつもの事だから」と無責任な事を言う加藤。
人数分の水割りを作り終えるとママが言った。
「うちの店って凄いのよ、一番奥の席に居る子が行政書士の免許を持ってて、その隣りの子が宅建でしょ、カウンターの中の子が労務士、その横の子は薬剤師。みんな最初はそれぞれの世界で仕事をしていたんだけど、今は趣味を優先してこの店で働いてるの」
「趣味?」加藤が呟いた。
「で、ママは?」と山本。
「私は一級建築士」
「凄いっすね。女性の建築士って、カッコいいっす」
「あらやだ、知らないで店に入って来ちゃったの?」
ママは太く逞しい指の間に挟んだ煙草を口にくわえると、大きなのど仏を上下させながら、ゆっくりと白い煙を吐き出した。

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