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最終更新日:2019年12月06日
最終更新日:2019年12月06日
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第372話「律子さん34」

 民宿あけぼの館に戻ると、入り口横のベンチに腰掛けた荒木ちゃんが、ギターを弾く手を止めて言った。
「あれ?旦那はどないしたん?」私は酋長の所に置いて来た事を伝えた。
「究極のアウトドアやけど苦手だったんとちゃうの?」
「虫が苦手なのよ。ここに来るのも殆ど騙して連れて来た様なもんだから」
「酋長の所って結構でっかいゴキブリとか出よるで」
「何も言って来ないから大丈夫なんじゃない?」
「だって、あそこは圏外やもん。そら連絡は来んよ」
私は慌てて携帯を鳴らしたが、荒木ちゃんが言った通り電波は届かない様だ。そんな話をしている内に夕食の時間になった。今夜の食後の宴会は賑やかだった。
「横浜から来たジョンです。昭和五十一年生まれの辰年です」アメリカ人のジョンは流暢な日本語を話した。辰年生まれという言葉がアメリカ人の口から出た事で結構みんなにうけていた。生まれて間もなく日本に来たジョンは英語が苦手らしい。彼女の武田さんはアメリカ生まれで日本語が片言だけと、何ともややこしい。
私に玉城さんに荒木ちゃん。名古屋の安達さんに宮西さん。某国立大学の教授。大手ゼネコンの常務。ここに来たら地位なんて関係ない。
皆一応に泡盛片手によれよれのTシャツに短パン姿。女性は化粧すらしていなく、全く素の状態で会話を楽しんでいる。
そこに、私の携帯が鳴った。主人からだった。音声がブツブツと切れて何を言っているのか分らないままに携帯は切れた。
荒木ちゃんが言うには、酋長のテントから一時間程歩いた高台に上ると携帯が通じるとの事だった。それもドコモ限定で、それ以外は運次第とのこと。少し心配になった私は迎えに行こうとも思ったが、私も含め、ここに居る全員が飲酒中で運転は当然無理。
「少し逞しくなって良いんじゃない?」と安達さん。
みんなが旦那なんかほっとけと笑いながら言った。それを聞いた武田さんは不思議そうな顔をすると、たどたどしい日本語で言った。
「旦那は仏か?」 つづく

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