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最終更新日:2020年07月13日
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第396話「バスの中の観客1」

何十年か振りにバスに乗った。たくさん空いている席の内、真ん中辺りの席に僕は座った。
バスは5ヶ所程のバス停を経由すると、空席はたちま無くなった。
やがて下校途中の女子高生が数人乗り込んで来て、僕の席の辺りでおしゃべりを始めた。
「ミサキがね、とうとうコクッたんだって」一番背が高くて元気な子が眼鏡をして少し大人しそうな子の肩に手をのせながら、他の子達に報告している。
「マジマジ?相手は勿論、鈴木だよね」その中の女の子が興奮気味に言った。
眼鏡の子は恥ずかし気に小さく頷いた。どうやらこの子がミサキの様だ。
「へ~ミサキ凄いじゃん。勇気あるよね。尊敬しちゃう」と他の子が言った。
「虎穴に入らずんば虎子を得ずって言うじゃん」と笑いながら言うミサキ。
最近の高校生でもこんな言葉を使うのかと感心していると、
「うん?ホケツにいれらんば?何?何て言ったの?」背の高い子がミサキに聞き返すが、他の子達が興奮している為に話が盛り上がっていてそれどころではない。
「カッコいいよね鈴木って」
「背だって高いしさ、壁ドンとか似合いそうだよね」
「それにバスケ部でキャプテンだしさ、いうことなしじゃん」と言って何人かが大はしゃぎする。
な~んか青春だな~と、遠い昔に通り過ぎた懐かしき時代を思い出しながら、思わず僕は口元をほころばせた。
「自分でも信じられないんだよね。私って石橋を叩いて渡る様な性格なのにさ」とミサキが笑いながら言う。
「えっ?石橋ってとんねるずの石橋?」僕は一瞬吹き出しそうになるのを必死で堪えた。
「で、で、どうなった?」と二人の女の子が食い入る様にミサキを見ている。
そう、そこが知りたい。どうなったんだろう?僕の耳がダンボになる。
「ねえねえ、石橋を叩いたらどうなるの?」背のデカイ女が訳の分からないことをまだ言っている。
お前はバカか、と口に出して言いたくなる。そんなことより先が訊きたいのだ。つづく

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