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最終更新日:2020年01月23日
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第518話「コクイケン」

日曜日の朝、子どもの声で目が覚めた。
隣りの家の孫だった。
「健太君?大きくなったね」
「だれだお前!」口が悪いのは爺さん譲りだ。
「健太君はいくつ?」
「うん?二歳だよ」
「嘘つけ!四歳だろ!さば読むんじゃない。と祖父」健太は、にっと笑うと舌をペロッと出した。
「へ~四歳か、可愛いね」
「そうだよ、俺の事みんな可愛い可愛いって言うんだ」鼻持ちならない四歳児、将来が大いに楽しみである。
「今日は何か用事あるか?」祖父が僕に訊く。
「ああ、今日はデートだよ」
「ふん、どうせブスの彼女だろ」と憎まれ口の健太。
「健太君の爺ちゃんは?」
「コクイケンを連れに行った」祖父と僕は、何の事かと顔を見合わせる。
「悪い子を食べる犬なんだって」なるほど子食い犬か、上手い事を考えたものだ。
「ねえ、本当はいないよね」
「いや、いるんだ」と祖父が健太の耳元で囁く。
「何を悪い事したか知らんが、さっさと謝った方が良いぞ」健太を脅す祖父。
「ちっ、じじいの相手は疲れるな、そんな犬いるはずないじゃん」
「今時の子供ってみんなこんな風なのか?」と困惑しながら祖父が僕の顔を見る。
ちょうどその時、隣りの爺ちゃんが戻って来た。
山田さんの家のブルドッグを連れている。犬種としては申し分ない。口の周りが真っ赤なのはケチャップか?演出効果はバッチリだ。
「さっき、そこで悪い子を食べてたのを捕まえて来たんだ。ほら、口の周りが血だらけだろ」健太は僕の後ろにさっと回りこむと、恐怖の余り泣き叫ぶ。
「ご免なさい!もうしませんから許して下さい!」所詮は四歳児、可愛いものだ。
隣りの爺ちゃんは大いに満足した様で、祖父に犬を預けると健太の手を引いて自宅へと戻って行くが、その途中、健太は僕等の方を頭だけ振り返ると、にっと笑って舌をペロッと出した。
「あいつの方が一枚上手の様だな」と祖父は笑っているが、まだ気づいていない。
大切にしている盆栽の葉が、マジックで赤や黄色に塗られている事を。

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