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最終更新日:2019年12月10日
最終更新日:2019年12月10日
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第550話「軟派な会社員」

Aに呼び出され、仕事帰りに近くの居酒屋へと足を運ぶ。仲間内でいつも利用している店だ。
「たまに、一緒に飲みたいと思ってさ」と言いながらAはメニュー表を手にした。
「そうそうこの前、追突されてさ、その相手がすっげえ美人でさ」Aの話を聞いている内に、相手は僕の同僚の奥さんである事が判明。
「世の中、広いようで狭いもんだよな」とAは笑う。
やって来た店員に、まず生ビールを2つ注文する。
「お姉さん学生さん?」どこから見てもそうは見えない店員にAは声をかけた。
「あっ、いえ」意表を突いた質問に戸惑っている様だ。
「へ~随分と若いから学生さんかと思っちゃった」
「結構、いってるんですよ」彼女は少し顔を赤らめると、満更でもなさそうに応えた。
「うそ!全然そうは見えないよな」と急に僕に同意を求めるが、どう見ても三十前後である。話の流れ上、ここで否定する訳にもいかず、僕も話を
合わせる。
「去年はいなかったよね」
「はい、半年前からです」
Aはイケメンとまではいかないまでも、そこそこ男前ではある。結婚願望が強くて女性受けは良いのだが、いまだ独身である理由は、多分この軽
さにある。本人もそのことに気付いてないところが、なんとも悲しい。
雑談を交え、受注を済ませると、彼女は笑みを浮かべて僕等の席を離れた。
「前から狙ってたのか?」僕は少し呆れ気味にAを見た。
「いやいや今初めて会ったんだよ」
「だって、去年はいなかったって分かってたじゃん」
「あれは、当てずっぽうだよ。ああ言えば自分に興味があるのかなって思うだろ」
この男は会社勤めよりホストの方が合っていると今迄何度思ったことだろう。
厨房からスキンヘッドのマスターが現れた。顔なじみとはいえ、いつ見ても怖い。
海坊主の様なマスターは、テーブルの上にドンとジョキを2つ置くと、Aに言った。
「俺の娘に手え出したらぶっ殺すからな」冗談っぽく薄っすらと笑みを浮かべてはいるが、目が笑ってない。
マスターを前にAの身体が瞬間冷凍した魚の様にピ~ンと硬直した。
僕がその様子を見て大笑いしていると、Aは引きつった顔で僕を見ながら言った。
「えっ?娘?お前知ってたの?」
「うん知ってた。お前がさっき言った通りだよ、世の中は広いようで狭いんだ」

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