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最終更新日:2019年12月10日
最終更新日:2019年12月10日
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第600話「禁煙の結果」

換気扇の下で人生最後のタバコを吸い終え、灰皿に先端を押し付けて火を消すと、横にいた妻が言った。
「はい、これで思い残す事はないね」と吸い殻を摘み出し、灰皿をささっと水洗いすると、燃えないゴミの袋へと捨てた。
前からタバコをやめようと思っていたが、なかなか踏ん切りがつかず、ずるずると吸い続けていた。
僕の場合、タバコ代は小遣いの中から捻出する事になっており、値上げによる1箱500円は非常に堪える。
何とか本数を減らす事で対応できると考えていたが、結局は減らす事ができなかった。
「月に1万5千円って大きいよ。好きな本が何冊買えるんだろうね」と呆れた顔で妻が笑う。
「そっか、そうだよな。単行本でも10冊前後は買えるし、文庫本なら20冊以上は買えるかも・・・」
「だよね。ああもったいないもったいない。お金を燃やしてる様なもんだよね。その上、身体にも悪いってもう最悪だよね」
「分かったよ、そんなに言うんだったら、やめてやる」
「おっ、言ったな。今やめるって言ったな。二言はないな。絶対だな」
「男に二言はない」何だか乗せられた感は否めないが、タバコをやめる事は良い事に変わりない。
そして今吸ったのが最後の一本だった。
「会社行ったら普通に吸っちゃうんじゃないの?」
「俺なりの矜持ってもんがある。絶対に吸わない」
その後、何日か吸いたいという衝動に駆られたが、一週間もすると、さほど気にもならなくなった。
そして給料日、僕はお小遣いを受け取るが、何故かその中に5千円札が2枚まじっていた。
「今月は私の誕生日だよね」
「ああ、分かってるよ」誕生日には、相手が欲しい物を買うか、それに見合うお金を渡す事になっていて限度額は、だいたい1万円だ。
「それでね。私の欲しい物って1万5千円なの。ちょうどタバコ代分だね」と僕の手にある諭吉と一葉を見て妻は笑った。

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