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最終更新日:2020年05月29日
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第648話「金魚の名前」

祖父が分厚い老眼鏡越しに水槽を覗き込む。
「このゴミみたいにちっこいのが金魚か?」
隣りに住む祖父の友人の源じいこと源造さんの家で、金魚の卵が孵った。
「お前も飼ってみんか?」
「これってどんな風になるんだ?想像もつかんな」
「そこの水槽にいるのが親だから、同じ感じになると思うな」と源じいが別の水槽を指しながら言った。
「随分とブサイクだな。顔のブツブツは何だ?それに泳ぎ方もぎこちないし」
「そういう品種なんだよ。江戸錦って種類のらんちゅうだ」と笑う源じい。
「ブサイクだけど、何ともいえない顔してるね。泳ぎ方も可愛いじゃん」と僕。
「さくらと一郎だ」
「お前、相変わらず金魚に名前つけとんのか?」と呆れた顔の祖父。
「可愛いもんだぞ~水槽をこうして叩くとな・・」
さくらと一郎が、身体をくねらせながら寄って来た。
「ふ~た~りは~枯れすすき~ってか。よく懐いとるけど所詮は、たかが金魚だ」
翌日、仕事から帰ると、リビングの一角に水しか入ってない水槽があった。
「一月ぐらいこうやって水を廻しておくと、ウイルスが発生するらしい」
「ウイルス?水の中に?」
「そうだ。有益なウイルスらしい。そいつがな、金魚の糞を分解してくれるんだと。詳しくは分からんが」
ちょうどそこに源じいがやって来た。
「いう通りにやったぞ。後はウイルスを待つだけだ」
「ウイルスじゃない。バクテリアだ」と笑う源じい。
「だよね、何だか変だと思ったんだ」と僕も笑う。
それから三ヶ月が経ち、今では水槽の中を四匹の小さな金魚が泳ぎ回っている。
祖父は餌を手に、水槽をコンコンと叩きながら。
「ひばり~餌だぞ。百恵も食えよ。ピンキーもな~」
いつの間にか名前が付いている。たかが金魚のはずだが・・。
「全部メス?」と僕が訊く。
「いや、オスメス判らんから柄で決めとる。赤が多いのをメスにしとるんだが、ちょうど半々のがおってな」
「そりゃ困るね」
「だから明宏ってつけた」
「アキヒロ?」
「美輪明宏だ」

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