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最終更新日:2020年09月29日
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第655話「マーちゃん65」

マーちゃんが喜ぶ中、父親である友達が言った。
「よし、その調子だ。絵なんてもんは一朝一夕で上達するもんじゃない。練習あるのみだ。きっと上手くなる。途中で投げ出すのが一番良くない。頑張れ!自分を信じろ!」と友達が熱く臭く語るのを見て、お前は松岡修造か!とも思ったが、父親として立派なもんだと少し感心させられた。
だが、それもここ迄。
「お父さんは良い事言いますね」マーちゃんは、和室の戸を開け放つと、部屋の奥に貼ってある黄ばんだ半紙を指差して言った。
「あれは僕が二年生の時に、お父さんに何て書いてあるか訊いた事がありましたね」
ギョッとした顔で部屋の奥を見る友達の姿を見て、思わず僕は天を仰ぐ。
「何て書いてあるんでしたっけ?」
それは父親の威厳が、ガラガラと音を立てて崩れていく瞬間だった。
そんな様子を見ている僕の横で、友達が蚊の鳴く様な声で応える。
「えっ?何ですか?聞こえませんけど」
友達は目を瞑り、やけくそ気味に、三年前に自分で書いた文字を大声で叫んだ。
「僕も思いますよ。途中で投げ出すのは良くないって」
「いや、それとこれとは別じゃないか・・・」と言う友達の言葉をマーちゃんがスパッと断ち切る。
「同じです。同じですよね」と僕を見るマーちゃん。
「う、うん。そうだ。同じだな」と僕が頷く。
「いや、だけどさ・・」と尚も友達は食い下がる。
「自分の言った事には責任を持たなきゃな。まして親なんだし、子供の見本にならなくてどうする」
「自分を信じられないって悲しい事ですよね。僕は絵の練習を頑張りますよ。お父さんが言った様に自分を信じてね。お父さんはどうしますか?」
マーちゃんの言葉を聞いて、友達は力無く頷くと言った。
「頑張ります」この言葉を聞いてマーちゃんは満足気に、ニッコリ笑う。
「は~い、じゃあタバコをここに全部出して下さいね。今からあそこに書いてある通り、禁煙を開始しま~す」

 

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