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最終更新日:2024年04月26日
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第107話 「叔父VSマーちゃん」中編

直ぐにマーちゃんの竿に当たりがあった。型の良いカレイが二匹上がった。
「凄い凄い。こんなに釣れました!」大喜びでマーちゃんが叫んだ。
「おお、坊主釣れたか。凄いな」叔父が笑って言った。魚を針から外し、クーラーボックスへ入れ、次の餌を付けて、また釣りを始める。見てると結構手際が良い。
今度は僕の竿に当たりがあり、二匹が上がった。僕が魚を外していると、今度はマーちゃんだった。
「おお、凄いな三匹だ」僕とマーちゃんは二人で大はしゃぎした。僕らの竿は休む事無く、次々にカレイを吊り上げて行った。
暫くしてマーちゃんが僕に言った。
「おじさん。僕、楽しいんですけど、とても気分が悪いんです」顔面蒼白になっっていた。どうやら船酔いの様だ。僕はマーちゃんを船尾に連れて行くと、マーちゃんは船から少し身を乗り出しながら吐いた。
「何だ坊主、撒餌か?吐くだけ吐いて、落ち着いたら、これ飲め」叔父が酔い止めの薬をくれた。
「ありがとうございます」
元気の無い声でマーちゃんが言った。
「何匹釣った?」叔父がマーちゃんに聞いた。
「三十三匹です」
「そりゃ凄いな。よし、俺と勝負するべ。俺は二十八匹だから、早くしないと追い抜くぞ」
「はい、分りました。僕も負けません」そう言うとマーちゃんは薬を飲んだ。
暫くすると、マーちゃんの容態もすっかり良くなった様で、僕の隣りの席に戻ると、また釣りを始めた。
「おじさんは何処に行ったんですか?」マーちゃんが僕に聞いた。
「場所を移動するとか言ってたけど、居ないか?その辺に」
僕は、マーちゃんに釣りをしてるように言い、叔父を探しに船尾へ行くと、さっきのマーちゃんと同じ様にゲーゲーと吐いていた。いつもの事だった。
「今こいつを飲んだから治るはずだ」ポケットから小さなウイスキーの瓶を取り出してそう言った。

つづく

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