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最終更新日:2024年04月26日
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第134話 「お見舞い1」

叔父がスキーで骨折したことを、友達の息子であるマーちゃんが知ることとなった。
以前、叔父と一緒に船釣りに行った際に、マーちゃんも連れて行った事があった。
「おじさん足折ったんですって?」
「うん、もう大変だったよ。救急車で運ばれてさ」
「そうだったんですか。僕もお見舞いに行きたいんですけど、連れて行って貰えないでしょうか?」相変わらず小学生とは思えない口調だった。
「そりゃ叔父さんも喜ぶと思うよ」
「おじさんは甘い物が好きでしたよね。何か買って行きますね」
「いいよ、そんな気を使わなくても」
「いいえ、手ぶらで行く訳にはいきません。お世話になった人には、こう言う時こそきちんとしなくてはなりませんから」
ちょっと耳が痛かった。
仕事帰りに友達の家に行くと、ちゃんと見舞いの品を買ってマーちゃんは待っていた。
「俺が買うからよかったのにさ」僕が言うと、父親である友達も「俺も同じ事言ったんだけど、聞かないんだよ」
「お父さんには関係ありませんから。お父さんにはお父さんの付き合いがある様に、僕には僕の付き合いがあるんです」ごもっともである。
叔父の病室へ行くと、案の定ベッドには居なかった。隣りの病室に行こうとした時、病室の人が言った。
「○○さんかい?」
「はい、退院したんですかね」僕が言った。
「いやいや、この間あんたが来た夜中に○○さん血吐いてさ、内科の方に移ったんだよ」
「血を吐いたんですか?」
「うん、結構な量だったよ」
「おじさん大丈夫でしょうか?」マーちゃんが心配そうに言った。
「大丈夫だって、あの人は殺したって死なないから」
笑いながら僕が言った。
「病気の方が逃げちゃいそうだもんね」そう病室の人が言うと、部屋中が笑い声に包まれた。

つづく

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