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最終更新日:2024年04月26日
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第157話 「清楚な女(こ)」

学生の頃、好きな子がいた。
とても可愛く、見た目も清楚な感じで、男子生徒にとっても憧れの存在だった。彼氏がいるという話も耳にしない。
ある日の事、ダメもとで思い切ってデートに誘った。
「ワ~ッ!行く行く」
拍子抜けするぐらいあっさりとOKが出た。
待ちに待った日曜日。
彼女と約束をした場所で待ち会わせし、映画を見に行った。その後ちょっと洒落たバーに寄ってお酒を飲んだ。
「私ね、今迄デートとかってした事ないの」
氷を回す感じでグラスを軽く振りながら彼女は言った。
「じゃ、彼氏とかもいた事がないの?」
「うん。何か自分に自身が持て無くてね。性格的なものなのかな。もっと色々な事に積極的になれたら良いんだけどね。男の人とこうして二人きりになったのも今日が初めてなの」
その後も、出身地の事や家族の事など、色々話し、楽しい一日を過ごす事が出来た。
時間を見計らい僕が言った。
「今日は付き合ってくれてありがとう」
「ご馳走様。また誘ってね」彼女は微笑んでそう言った。
タクシーを拾い、彼女を送る途中の車内での事だった。
「私の部屋に寄って行く?」
「まずいでしょ。女子寮じゃない」と言いつつ内心はヨッシャ~っと叫んでいた。
「もっと色々話しをしたいなって思ったの。もし良ければなんだけど・・・」
「よい!良い!良いです」女子寮に入れるなんて夢の様だった。
もちろんバレたら大変な事になる。
僕らは電気が消え、静まり返った女子寮の廊下を、足音を忍ばせながら歩き、彼女の部屋へと辿り着いた。
部屋の電気を点けた途端にノックがした。
彼女は口に指を当てシ~ッという仕草をした。
「ねえ、居るの?」ノックが続く。
寮のコの様だ。
「また懲りないで男連れ込んでるんじゃないの?」
「ホントいい迷惑だよね。私達までとばっちり受けちうんだからさ」とドアの外から遠ざかって行く二人。
僕は小声で彼女に言った。
「えっ?何?また?またって言った?言ったよね今」

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